内容説明
NHK ETV特集(2019年8月)「少女たちがみつめた長崎」待望の書籍化。
目次
プロローグ 同じこころざし
第1章 原爆を見つめ続ける
第2章 原爆前夜の少女たち
第3章 「あのとき」の記憶と記録
第4章 高校生、11時2分と向きあう
第5章 戦後 それぞれの苦難
第6章 自責の念と罪の意識
第7章 わたしたちがつなぐ
第8章 未曾有の困難の中で
エピローグ 未来のために
著者等紹介
渡辺考[ワタナベコウ]
テレビディレクター。1966年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。1990年NHK入局、福岡放送局、番組制作局、大型企画開発センターなどを経て現在はNHKエデュケーショナルプロデューサー。制作した番組に、ETV特集『もういちどつくりたい~テレビドキュメンタリスト木村栄文の世界~』『シリーズBC級戦犯(1)韓国・朝鮮人戦犯の悲劇』、NHKスペシャル『学徒兵 許されざる帰還~陸軍特攻隊の悲劇~』などがあり、3作品とも、ギャラクシー賞選奨(テレビ部門)を、またETV特集『戦場で書く』は、橋田賞を受賞している。他にも放送文化基金賞などを受賞。近年は映画制作にもかかわる。著書多数。『ゲンバクとよばれた少年』(講談社、中村由一氏、宮尾和孝氏との共著)は第24回平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
52
長崎原爆の日に。高校の放送部が継続して作る、前身だった県立高等女学校のドキュメントを、地元NHKが共同で取材。高齢になった当時の女生徒に取材しつつ、共感も世代のギャップも体感する。戦争の初期にはまだあった青春感も、敗戦が近づくと学業も停止、兵器工場に動員されて戦争に組み込まれていく。被爆者としての差別など、戦争の苦難は戦後も続く。数十年も身体にガラス片が残る苦しさなど想像を超えている。当時の日記を読ませてもらい、考えていく現代の高校生にも共感。同タイトルのETV特集が元になった本。愛読して残しておきたい。2023/08/09
かおりんご
23
NHKのドキュメンタリーの書籍化。原爆は、落ちたときだけではなく、落ちた後の人生にも大きく影響を与える。傷だらけの体を見せたくない乙女心は非常によく分かるし、出産への不安もよく分かる。切ない。2020/11/16
ゆかるりら
5
同タイトルのドキュメント番組を書籍化したもの。長崎県立長崎西高等学校の放送部の少年少女たちが当時同じ年頃だった被爆者をインタビューしてドキュメント番組を作り上げていくという。当時少女だった方たちの日記はとても興味深かった。2021/05/01
茂原れんげ
2
長崎西高校の放送部の生徒たちが、先輩である県立高女の被爆者の女性たちに取材をする。 残っていた日記、そこに吐き出すように書かれていた生き残ってしまったことへの深い後悔の念。 心に残ったのは林京子さんが青来さんにかけた『原爆に関しては経験があろうがなかろうが、自由に語ってください。語っていいんですよ。自由に書いていい』と言う言葉。 原爆の継承がほんとうに問われるのはこれからだ。当事者がいなくなったときどう語り伝えていくのか。大いに語り合うことが必要だ。2022/02/22
星辺気楽
1
きな臭い話題が飛び交う今日において、大変重要な示唆を与えてもらえた。2020/10/11