感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
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最近気になっていた短歌の「私性」の問題。それは結社で暗黙のルールとして、歌の背後には「わたし」の存在(視線)があるということだった。 寺山修司の虚構性短歌から入った者としては、いまだにそんなことをやっているのかと思ったが、この短歌における「わたし」性はけっこう根深い問題だったのだ。日本の詩歌全般にかかわる問題であり、『万葉集』からの伝統なんでと言われてしまうとちょっとなとは思う。それが敗戦によって日本の短詩型の問題。定形で共同体に自我を叙情性に同調させてしまうのはどうかという意見が外から出てきた。2022/12/06