目次
埋葬
森の番人
夢追い人とハイエナたち、および地下の生活について
ヒトラーの抜け殻
箱
猫影荘
小鬼穴
失われたものたちの国で
自転車が揺れる
ふんこつさいしんの夜の反復が、わたしたちという夫婦
声の姉妹
継承
てなしむすめ
わたしたちの声を聞いて
ロボットが空から
著者等紹介
深沢レナ[フカザワレナ]
1990年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
88
じくじくといつまでも治らない傷跡から血がにじむ。その血の赤さだけを頼りに灰色の薄暗闇を歩き続ける。目的地もないままに。意味も不明瞭でオチも定かではない不思議な話は不穏な悪夢のようにも思える。ベクシンスキーやアルフレッド・クビンの絵画を想起した。とはいえおどろおどろしい話が多いわけではなく、取り憑いたヒトラーを引っこ抜いたり、猫による猫のための入居案内のような掌編があったりと、断片的に見る夢のような面白みがある。全体的なイメージが灰色であることには変わりはないが。好きな人はすごく好きな雰囲気の一冊だと思う。2019/08/06
そふぃあ
19
【図書館本】この世界じゃないどこかで鳴っている音楽が、壁のひび割れや扉の隙間、夜に見る夢に滲み出してきてかすかに聞こえてくるイメージ。その音を拾い集めたような短編集。2024/03/11
4fdo4
11
なんと感想を書いていいのか言葉にするのが難しい。 グロテスクとかファンンタジーとかとかではない。 深いのか浅いのか。それすら私の感性では受けきれないので しばらくはこの著者の本は避けます。 嫌いじゃないんですが、重すぎる。2020/02/16
林克也
4
読み始めてすぐ、これは声に出して読まなければいけないんじゃないか?と思い、後ろに小さい音でバッハを流しながら音読した。するとたちまち世界が変わった。すごい。淀みなく言葉が流れ出てくる。 詩は“音”なんだ、ということに改めて気付かされた作品だった。 なかでも「夢追い人とハイエナたち、および地下の生活について」と「失われたものたちの国で」が良かった。 2019/02/16
Lieu
2
著者を知らなかったが、本を開いただけでただならぬものを感じ、すぐに買ってしまった。この本を読むことができて、本当によかったと思う。何かがこわれているので、現実から0.5次元だけ、そっくりずれてしまって、こっちの世界に片足だけおきつつ、紡いだ言葉というか。2019/08/01