出版社内容情報
天才歌人と謳われ、26歳で夭折した笹井宏之は、2019年1月24日没後10年を迎えます。書肆侃侃房では新しく「笹井宏之賞」を創設するとともに、短歌ムック「ねむらない樹」を創刊します。ムック名は笹井宏之の短歌「ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす」からとりました。歌人は誰もが、自分のなかに自分だけの「ねむらない樹」を抱いて、生きているのではないか。「歌人やこれから短歌をめざすひとにも目標になるようなどんな強い風にも揺らがない一本の樹であってほしい。たった一人ですっくと立っていてほしい」という思いからのネーミングです。
巻頭エッセイ
穂村弘
特集1
新世代がいま届けたい現代短歌100
伊舎堂仁×大森静佳×小島なお×寺井龍哉
特集2
ニューウェーブ30年
荻原裕幸×加藤治郎×西田政史×穂村弘
対談
林あまり×東直子
伊波真人×滝口悠生
作品
蒼井杏 石井僚一 井上法子 宇都宮敦
大滝和子 岡崎裕美子 岡野大嗣 木下龍也
小池純代 佐々木朔 鈴木美紀子 武田穂佳
原田彩加 藤島秀憲 法橋ひらく 枡野浩一
第一回笹井宏之賞募集要項掲載
大森 静佳[オオモリ シズカ]
編集
佐藤 弓生[サトウ ユミオ]
編集
染野 太朗[ソメノ タロウ]
編集
千葉 聡[チバ サトシ]
編集
寺井 龍哉[テライ タツヤ]
編集
東 直子[ヒガシ ナオコ]
編集
田島安江[タジマ ヤスエ]
編集
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
28
短歌ムック『ねむらない樹』創刊号。とても読み応えがあった。若手の歌人達をフィーチャーした企画が多いのがいい。「新世代がいま届けたい現代短歌100」の「選歌を終えて」での座談を読んでいると、SNS世代の軽やかさが心地よく感じられる。反面、「ニューウェーブ30年」と題されたシンポジウムでは、ニューウェーブの定義を巡った論議において、その主体がぼやけていけばいくほど、当事者である四人のこだわりが強く感じられ、閉じていく感覚に苛まれる。(つづく)2018/09/06
かふ
16
「眠らない樹」というのは、笹井宏之の短歌から来ているようだ。「ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす 笹井宏之」 イメージしては孤独な歌人の歌の夢が見知らぬ読者(あなた)に手渡す歌の種という相聞歌だろうか。その関係性があわい恋のようで、夭折した歌人の言霊を後世に伝えたいという気持ちが籠もっているネーミングだと思う。 創刊号は、それぞれの人の思いがこもっているから読み応えはある。一番面白かったのは、特集「ニューウェーブ30年」の対談かな。現代短歌の流れを理解できた。 2022/11/06
Tenouji
10
短歌の今を知るために、ちょこっと読んでみた。2018/09/17
メルキド出版
9
「羽」(テーマ)杉倉葉2018/08/07
;
8
楽しい本でした。 聞かせてよ決まり文句を そうしたら決まり文句で夜を育てる/宇都宮敦 小説の終わりに咲いている花の香りをいつまでもかいでいた/佐々木朔 元気で、と祈りを口にしてしまい会話としてはおかしかったかな/原田彩加 2018/07/31