内容説明
野村喜和夫氏をゲストに迎えた現代詩歌の饗宴。いぬのせなか座プロデュース、レイアウト詩歌の世界。
目次
スプーン
観覧車
平和について
中原中也への旅
たんたんと
緊急シンポジウム周辺
MRI
夏の光の中へ
仮仮置場
平和園祭〔ほか〕
著者等紹介
加藤治郎[カトウジロウ]
1959年、名古屋市生まれ。未来短歌会選者、毎日歌壇選者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
239
加藤治郎はこれまでに既に何冊も歌集を上梓し、またいくつもの短歌賞に輝く歌人。デビュー作の『サニー・サイド・アップ』はニューウェーブ短歌の旗手と評され、華々しいデビューを果たした。なお、現在は毎日歌壇の選者も務めているようだ。口語を駆使した短歌群は岡井隆に師事したと言われれば、そうだろうなと思わせる歌風。もちろん、独自の域に達していることは言うまでもない。この歌集『Confusion』は短歌の新しい可能性を広げようと試みたもの。かなり変わった構成、造本である。したがって、これ1首を選びにくい歌集でもある。2024/06/20
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12
超絶レイアウト。こんな歌集見たことない。2018/05/03
おはぎ
7
なにが『confusion』なのだろうと思って開いたら、紛れもない『confusion』がそこにあった…。レイアウトが斬新すぎて、歌集と画集を同時に読んで見ているような感覚、つまり脳が臨界点に近い情報量を処理し続けるような営みをすることになり、かなり混乱した。終盤を読んで、オマージュだということがわかった。中身のことで言えば、新鋭短歌のようなエキセントリックなものも多かった。「虹の欠片に頬を切られたさっくりと最終電車を見送ったあと」「墓場から四人の僧侶召還す出演料はいろはすみかん」2022/11/23
garyou
3
表紙のレイアウトに惹かれて手にしてみた。歌集を読むと、気に入った歌を書き抜いたりするのだが、この本はそうするよりも本自体を手に入れてそのレイアウトとともに歌を楽しむ本のように思う。2023/03/07
Cell 44
3
「フラワーしげると心中するならジグザグジグザグジグザグ桜上水だぜ、乙女よ」「でも俺は伝統詩だが、曇天のどうてことない駅に降り立つ」「おもったより、おもったのは、音楽が言葉のなかにあってたのしい」「飯盒炊爨はんごうすいさんどうみても火星人やんけ爨、爨爨、爨爨爨、爨」詩型融合をテーマにした一冊。いぬのせなか座のレイアウトはたとえばルビの級数の概念を反転させたり、詞書などサブテクストの関係を上下にほどいたり、諸テクストの審級をずらして新たな領土を作りつつ、しかし現にそこを横断してあるテクストの姿を顕在化させる。2021/04/26
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