目次
1 春の愛してるスペシャル(春の愛してるスペシャル;ギャグ ほか)
2 ぼくたちはいつでも楽園だった(おはよ、ジュンク堂でキス、キスだよ;Spring.OS ほか)
3 柑橘系の広場の中で(臨海、海だらけってことだよ;人魚、あたらしい明滅 ほか)
4 回遊宇宙葬(回遊宇宙葬;ぼくは希薄でかわいい ほか)
解説 むい、無為。ありのままであること。(山田航)
著者等紹介
初谷むい[ハツタニムイ]
1996年生まれ。北海道大学短歌会、短歌同人誌「ぬばたま」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
30
「イルカがとぶイルカがおちる何も言ってないのにきみが「ん?」と振り向く」歌集冒頭のこの一首で、すでに心が鷲掴みにされてしまう。新しいものに出会ったインパクトによる驚きと、なのに押し寄せる親近感とが綯い交ぜとなって、とてもとても不思議な感動が沸き起こって来る。初谷むいは、特別な一瞬を逃さないように、忘れないように、特別な一瞬を刻む歌を詠む。けれど、その特別な一瞬は、哀しい出来事や残酷な現実があるからこそ際立ち、平凡な日常の中で起こるからこそ特別となることを、初谷は知っている。(つづく)2018/10/10
ふみ
26
解説を読むことなく、自然に音読してたのだけど「短歌4拍子説」ての初めてきいた。声に出して言葉の儚さに切なくなる歌集。2018/05/15
水色系
20
かわいい、キャッチーな歌集。P30 ジュンク堂泣くほど本がある中に仕舞われている栞泣くほど/P47 ありがとう フードの中に数枚の花びら隠すように好きです/P56 たりねーと言えば抱きしめにやってくるなにが足りないのかも聞かずに/P90 わたしたち、枯らした植物埋めちゃって、そこを幕府と呼んでいました。 ←これとか特に声に出して読みたい。2022/06/11
太田青磁
16
電話中につめを切ってる 届くかな 届け わたしのつめを切る音・ひらかれてひらきっぱなしの欠陥でもう誰といたってねこじゃらし・生きるなら笑ってほしい あたし環境音の真似が得意・エスカレーター、えすかと略しどこまでも えすか、あなたの夜をおもうよ・氷水から氷を出してあなたはぼくの水も氷水にしてくれた・イオンならあるよねめがねもなおせるし、げんき レンジでパスタをゆでる・忘れやすいこころですので安心してばかにしたり傷つけたりしていいです・あたらしいニットが身体に合っている ようこそぼくの身体へニット2018/04/19
🈳
14
50、56、62、67、91、97、101、107、108、118、129 む犬、好…初谷むいなむ犬がすきだ 暗唱できるまで読む わたし、ひらがなやスペースにこだわりがあるんだけど(やわらかい形容詞はひらがな とか)むいちゃんにも似たようなものがあるんだろうなって勝手にうれしい「路ちゅーもできる!」が本当に好き 全自動わんこ泣いちゃった「最初からお手もお座りもできたけどあなたに教えてもらいたかった」2021/08/01