1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
126
26歳と言う若さでこの世を去った歌人の第二歌集。どんなものでもきらめきを帯びて、自分に親しく感じられる子供時代のような感受性をこの歌人は持っていたことが分かる。優しさを感じる歌が多くて、読んでいるとその優しさが自分の中に沁み込んできて、心のささくれを癒してくれる。思わずクスリと笑ってしまうユーモアも好ましかった。お気に入りの歌をご紹介。「どろみずの泥と水とを選りわけるすきま まばゆい いのち 治癒 ゆめ」2015/11/20
新地学@児童書病発動中
106
読んだことをすっかり忘れていた。再読なのに新鮮な気持ちで読めた。ただただ圧倒される才能の持ち主だと思う。青春のきらめきをこれほど感じさせる作品は少ない。才気を感じさせる歌もあるのだが、それよりもユーモアと優しさが詰まっている。「たどりつくことのたやすい永遠に地雷のようなものを埋める」のようなシュールな表現の中にある、瑞々しい感受性が本当に素晴らしい。「つぎつぎに青磁の壺が降ってきて良い人ばかりにあたるのでした」のようなユーモアにあふれた歌も好きだ。亡くなってしまったことが本当に惜しまれる。2017/05/28
コットン
87
26才の若さで夭折した素晴らしい乱調の歌人で物を一つの装置として展開している歌がいい:「天国につながっている無線機を海へ落としにゆく老婦人」。音楽的感性も素晴らしい:「チェリストのような日差しがぼくたちのこの空間を奏ではじめる」や「真夏日の夜の公園にばらばらの鍵盤としてちらばる私」2015/02/02
KEI
41
笹井宏之さんの第二歌集。お父様の前書きにあったが笹井さんは音楽に親しんでいた方の様で、歌意は分からないものも多かったが、読んでいてリズミカルで心地よい歌があった。またユーモアのある歌もあり死を前にした方が詠んだ歌とは思えなかった。【たましいのやどらなかったことばにもきちんとおとむらいをだしてやる】【さようならが機能しなくなりました あなたが雪であったばかりに】このニ首を投稿して2週間ほどして亡くなったとの事。歌の中でしっかりお別れをしたのかと感じた。2021/12/06
kaizen@名古屋de朝活読書会
40
#笹井宏之 #短歌 ひのきぶろみたいな笑い方をする できるかどうかではなくて、する #返歌 檜風呂見たいな屋上露天風呂生きるかどうかではなくて見る #加藤治郎 監修2016/01/27
-
- 和書
- 金融市場の社会学