内容説明
魅力的な授業には小学校、中学校、高等学校という学校種を超えて、また地域や教科も超えて、共通した雰囲気と学びの原理が生きている。それはどの子どもも居心地がよく安心していられると感じられる教室、そしてさらに子どもたちが深く学べていると感じられる教室であることだ。本書ではそれが可能である条件を具体的に見ていく。
目次
第1章 学びのシステムとしての授業
第2章 授業研究は、いま
第3章 教室における対話
第4章 教材からのたしかな学習
第5章 協働で学びあう関係づくり
第6章 教師の実践的知識と即興的判断
第7章 校内研修と学校文化
第8章 教師の生涯発達と授業づくり
著者等紹介
秋田喜代美[アキタキヨミ]
教育心理学、学校教育学、保育学。東京大学大学院教育研究科教授。博士(教育学)。1957年大阪府に生まれる。80年東京大学文学部社会学科卒業。銀行員、専業主婦を経て、東京大学教育学部学士入学。91年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。93年立教大学文学部専任講師、同助教授。99年東京大学大学院教育学研究科助教授。04年同大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kーazuki
9
秋田喜代美先生の書かれている本や雑誌のコメントなど大変読みやすく、ためになります。この本は、教育現場で悩んだり困ったときに付箋を付けたページやマーカーした内容を繰り返し読んでいます。学校教育は、どこに向かって進むべきかを示唆してくれます。学校の先生達の研修で使いたい本です。2022/10/30
生ハム
7
「教師の専門性」を丁寧に実践とつなげてくれる良書。教師は、教育学の専門家ではなくて、「教師」という専門家。 専門家たりえるのは、教師が授業という複雑な実践をしている、実践家だからこそ。 知識が多いとか、テクニックがあるとか、まぁそーいうことももちろん大切だけれど、 いちばん「専門家」たらしめているのは、数多くの実践を経ての、非言語的な感覚、経験則。 なぜそれらが大切かというと、授業という流れゆく時間の中で、 絶えず教師は、素早く決断し選択をしなければならない職業だから。2013/08/22
松村 英治
1
核となる概念や心理学の知見は、生かせる場が実践にはたくさんあると改めて気付かされた。時々読み返しておかないと…。2020/12/19
Arick
1
「学びの心理学」というタイトルから受ける印象とは良い意味で裏切られた。 内容は、これからの教育を考えていくときに必要な考え方が、データとともに語られている。 アクティブラーニングが強調される昨今、特に「第五章 協働で学び合う関係づくり」の章は参考になるだろう。2015/11/29