内容説明
空海(774―835)は、現代人ばかりでなく1200年の間も同じように慕われ続けてきた人です。生身であるはずの人間が1200年生き続けているといわれるのは、どのようなことなのでしょうか。40年近く空海を研究してきた筆者は、「空海はさとっている」ということが根底であることを理解しました。空海の文章は、さとった空海が、そのさとりの中から漢字という表現言語を用いて書いたものなのです。1200年生き続けてきたさとりとしての空海の文章を通して、私たちは、空海その人と接してきたのです。本書は、空海の文章の中から、私たちが理解できると思われる言葉を選びました。
目次
1 空海の生涯
2 真言密教の教え
3 密教の人間観
4 自分の心に気づく
5 人間と仏性
6 人間の世界で生きる
7 空海と書道・詩の世界
著者等紹介
静慈圓[シズカジエン]
1942年、徳島県生まれ。1971年高野山大学大学院博士課程修了。1974年大阪大学大学院中国哲学専攻研究生了。1974年高野山大学講師。1982年日本印度学仏教学会賞受賞。1984年「空海・長安への道」訪中団団長として、福洲(赤岸鎮)から西安(青龍寺)までの2400キロを踏破。以後訪中四十数回。この道を精査し、「空海ロード」と名づけ巡礼の道として完成した。1989年学習潅頂入壇、伝燈大阿闍梨職位を受ける。現在、高野山大学名誉教授、高野山清涼院住職。博士(仏教学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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