出版社内容情報
空前の刀剣ブームの中、日本刀をきちんと鑑賞するために、私たちは何を学ばなければならないのか?
日本刀の美しさや強さを支える”姿“ ”地鉄“ ”刃文“ の三つの観点から、各時代の刀の特色を明らかにする。
日本刀の変遷・発展の背景にある歴史に踏み込んで、本物の刀を見る目を身につけたい刀剣ファン必読の一冊!
得能一男[トクノウカズオ]
内容説明
刀には歴史が映っている。時に実戦的に、時に装飾的に―。日本刀にはその時代の要請や価値観が色濃く反映されている。日本刀の美とその特異性、材料と製法、そして各時代の特色を解説。日本刀を鑑賞するための着眼点と知識を満載した案内書。
目次
第1部 刀剣の美と製法(日本刀の美;日本刀のもつ特異性;刀剣の製法とその材料について;五ヶ伝について)
第2部 各時代の刀剣とその変遷(弥生時代;古墳時代;奈良時代;平安時代 ほか)
著者等紹介
得能一男[トクノウカズオ]
美術刀剣研究家。昭和8年(1933)、富山県福光町に生まれる。昭和26年(1951)、東京の近藤鶴堂、村上孝介両氏に刀剣鑑定の手ほどきを受け、以降、独自に研究をすすめ、その傍ら全国の刀剣勉強会等で研鑽を積み、各地の団体設立に協力する。昭和47年(1972)、刀剣研究連合会を創設・主宰、機関誌『刀連』発行。刀剣研究連合会会長、伝統刀装工芸会代表、文化庁登録審査委員等歴任。平成14年(2002)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさき
4
日本における刀を古墳時代や人や物の交流など、総合的に学べる本…というと堅苦しそうですが、とても面白かったです。入門書としては人に勧めたくなるレベル。「何故この時代はこの形状だったのか」も学べるし、その為にもルーツのルーツなら学ぶのは大事だし、刀というものを俯瞰できる。日本刀の魅力というのはその姿を好む人、あの偉人が持ってたという歴史的価値を好む人に、実用性を好む人の3種類おりますが、それぞれの価値観も基礎的に学べる。 よくある図説付きの入門書を買うときに合わせて持つと重宝します。2018/03/08
六点
3
本阿弥家の家伝として考案された所謂「五ケ伝」による日本刀鑑賞に囚われること無く、時代相を細かく分類してその中での変化を見ようではないかと言う主張は首肯できるのであるが、鑑賞会でよくある当てもの大会「入れ札」システムが牢固としてある以上、難しいのではないのかなあと思う。著者の死去によって中絶した雑誌連載が14年も経ってから一書に纏められたというところが、やはりそこいらへんの難しさを示しているのではないかと思う。2017/06/17
青
3
ようやく読み終わり。 刀剣鑑賞の基礎ってことで、具体的に刀剣鑑賞ポイントを学べるかと思って買ったんだけど。 刀の歴史がメインだった。 まぁ、これはこれで大事なんだけど。 ちょっとひたすらに文字だったので、難しかったかな。2017/05/21
ybhkr
2
歴史の中に見る、日本刀の製法や立ち位置などがかなり細かく描かれている。歴史と刀剣の関係は切っても切れないもので、歴史(という背景)を知ることが刀剣鑑賞において造詣を深めることとなる。戦後、GHQの支配から八年、刀剣を作ることを禁止され、沢山の優れた刀匠たちが廃業を余儀なくされたことはもったいない。しかし、戦なき今も脈々と刀工は続いている。古くは弥生時代から試行錯誤を重ね、独特の手法と造形で今もなお愛され続ける刀剣の魅力のひとつは時代背景を写していることだろう。所々にある変革期がなかなか興味深かった。2016/11/14
Laz
0
刀剣雑誌の連載の再編本, 内容は「刀剣の日本史」といった感じで, 「個別の刀」より「刀剣全体」の時代による様式変化に特化. 文章はすごい読みやすく, 内容も客観的かつ著者の意見も入ってて「本文に全く図がない」という点を除けば大変良書. ただ「図がない」というのがクセモノ. 「元身幅」「小乱・小丁子に足が入り」といった文章が図もなく出てくるので, どこが元身幅? 何が小乱? を知らないと凹む. ネットで部位を調べて楽しめはしたけど... 「基礎知識」と書いているのに, 読むのに基礎知識が必要な本.2020/05/14
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- 和書
- 油圧教本 (増補改訂版)