内容説明
平家にあらざれば人にあらず…、頂点を極めた独裁者―平清盛の生涯は、諸行無常盛者必衰の理にたとえられる。その波瀾の人生と時代を、忠実に描き出した名著。
目次
1 激動の時代と歴史的人物
2 伊勢平氏
3 武門の貴公子
4 平清盛の台頭
5 権勢への道
6 平氏の政権とその危機
著者等紹介
安田元久[ヤスダモトヒサ]
1918~1996年。東京帝国大学文学部国史学科卒業後、東京大学文学部助手、北海道大学文学部助教授、学習院大学文学部教授、学習院大学学長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cineantlers
2
さすがに50年前の刊行ということもあり研究内容は少し古い。院政のシステムも院の独裁を極めようとする意図が強かったという趣旨は言い過ぎていると思う。しかし安田氏が示唆する内容は非常に興味深く、後の研究にも十分に検討されてきたものであり、平安末期から鎌倉時代初期にかけての研究の旗振り役としては見過ごせない。古代貴族政治と武家政治の過渡期として平清盛を見つめ、武家でありながらも後の鎌倉幕府とは違い古代貴族政治から決して自由ではなかったことなどの指摘は特筆するに値する2020/12/30
rabbit60
1
大河ドラマのバックグランドを知りたい人に便利です。但し【清盛】が白河院と白拍子との子という突飛なドラマ設定とは違って、きちんとした学術書です。ドラマのほうは不人気(私は好きですが)とのことですが、この時代の登場人物は大変人間くさく、興味深く、歴史好きにはたまらない時代のひとつですね!!2012/06/18
tohoho
0
本書は『平清盛 権勢の政治家と激動の歴史』(1971年)を新装復刊したものとあるが、歴史的評価の困難な清盛の虚像と実像に迫り、院政政権をまもるべき武力である立場の平氏が、院政に抵抗する独裁権力と化する過程と、その歴史的必然性について解き明かす。出生については、清盛皇胤説を否定する立場をとっている。2012/07/16