ランベルト男爵は二度生きる―サン・ジュリオ島の奇想天外な物語

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863590496
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

オルタ湖に浮かぶサン・ジュリオ島に、大金持ちで病気持ち、93歳のランベルト男爵が執事としずかに暮らしている。あるとき、冬の別荘のあるエジプトに出かけた2人は、なぜか、あわててイタリアに引き返す。そのときから、屋敷に、異変が。男爵の雇い入れた6人の男女が屋根裏部屋で、「ランベルト、ランベルト、ランベルト」と、男爵の名前を休みなく繰り返している。そのうち、男爵のつるつる頭になんと一本の髪の毛が…。ファンタジーの世界と、コミカルな現実世界を、見事に融合させた、ジャンニ・ロダーリ快心の一作。

著者等紹介

ロダーリ,ジャンニ[ロダーリ,ジャンニ][Rodari,Gianni]
イタリアの生んだ世界的な児童文学・ファンタジー文学作家。1920年、北イタリアのオメーニャに生まれる。最初、教員となり、子供たちの感性と想像力の豊かさに触れる。大戦中、パルチザンの活動に身を投じ、イタリア共産党に接近。戦後、共産党紙「ウニタ」の記者として「児童向けコラム」を担当、それを皮切りに、さまざまな児童雑誌に童話を書くようになった。1970年国際アンデルセン賞を受賞。1980年病死した

原田和夫[ハラダカズオ]
1942年熊本県生。東京外国語大学と京都大学大学院でイタリア語とイタリア文学を学ぶ。イタリア政府給費留学生として、パドヴァ大学に留学。学術振興会の奨励研究員を経た後、京都産業大学に勤務し、現在、同大学外国語学部教授。専攻はマンゾーニを中心とする近代イタリア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阪口まな

7
93歳のランベルト男爵は大変な金持ち。24の銀行を所有し、24の病気を抱えている。冬を避けてエジプトの別荘へ旅立ったが、すぐにサン・ジュリオ島に帰ってきて6人の使用人を雇い入れた。「ランベルト、ランベルト、ランベルト…」正確に男爵の名前を呼び続けさせるために。行者から知り得た秘術を実践するのだ。「名前が発音される者は新たに命を得ん」2020/11/24

relaxopenenjoy

6
ロダーリのユーモア!「ランベルトさんはかくかく」「ランベルトさんはしかじか」「かくかくしかじかのランベルト」、、男爵も、執事も、ちょっぴり間抜けな甥っ子も、6人の屋根裏に住む人も、頭取&秘書’sも、市長も、盗賊団も、みんないい味出している。 私事だが、読了日は、人生初の大腸内視鏡検査で、検査待ちで読了できた。読み易くサクッと楽しく読めた。一章あたりも短い。2022/03/18

ダージリン

3
ロダーリらしく、突拍子もないシュールさ、アクロバティックな展開が魅力的な作品。ユーモアに溢れ、知的な諷刺はここでも健在。この作品が書かれた当時はイタリア社会も混沌としており、ロダーリ自身病に苛まれていたと解説にあるが、そんな苦しみから自由になりたいという思いが投影されているのかも知れない。2020/01/12

baアタマ

2
1978年/伊。可愛く楽しい一冊。「こんな疑問を百と並べたあと、結局、《夢はよき相談相手》ということわざを思い出して(…)寝ることにした」P104 男爵もいいキャラだけど執事のアンセルモがキュート。訳者後書きによると発表当日の著者やイタリアの苦難に腰を抜かしそうになるけど、楽しく読ませちゃうのがロダーリさんなんだ!訳:原田和夫さん 2013/05/30

のうみそしる

2
登場人物がまさにイタリア人!て感じ。最後のどんでん返し?は意外だった。ユーモアたっぷり。原文でも読めそう2013/03/04

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