内容説明
長年に亘り、ガラス建材業界で活躍してきた、(株)タナチョーの田中廣社長が、愛情をこめて書き綴ってきた、魅力あるガラスの世界を本にした。本書は、ガラスの持つ素材の特性の素晴らしさを紹介する。5000年の歴史を持ち、古代から中世、近世から現代まで、ガラスの発展についてコンパクトに纏めたものである。ガラスは、経済史的にも、技術の発展史的にも、大変興味深い展開をしてきており、今後も、環境・防災・健康・IT対応の世界で益々進化していく見込みである。
目次
序章 ガラスとは何か
第1章 古代からの遙かな道
第2章 中世から近世へガラスの進化
第3章 近代建築の夜明け
第4章 多様化する建材ガラス(日本を中心に)
第5章 変動する世界、環境・防災・健康・ITに対応するガラス
終章 振り返りと展望
著者等紹介
田中廣[タナカヒロシ]
1959年生まれ。1982年慶應義塾大学経済学部卒業、同年(株)日本興業銀行入行。1992年同行退行、同年(株)タナチョー入社。取締役就任。1999年同社取締役社長就任。学生時代の専攻は、経済史(欧州近代)、経済思想史、経済学史。種々団体の政策系委員会で活動。所属団体:経済同友会幹事(2010~)。板硝子卸商業組合(関東甲信越)理事(2008~)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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6ちゃん
4
ガラスの製法に関する歴史と今後の展望がコンパクトにまとまった良書。製法は古代文明の誕生から引き継がれ、最新技術は常に世界経済の中心地で生まれている。日本は今でこそガラス産業が栄えているが、至る道筋は失敗の連続だった。ガラスは美しさと実用を兼ね備えた人類の至宝と称える筆者の思いが端々に表れている。光ファイバーからPCなどのプリント基板にまでガラスが使われ、現代文明を支える材料であることは疑いない。発電できる窓ガラスが一般的になれば生活家電への給電は飛躍的に安定するだろうし、今後の技術革新に期待したい。2023/01/08
清水
2
ガラスは液体とは聞いたことがある。同じ配列にはならず、異なる分子で固まったものがガラス。起源はBC30のエジプトに遡り、技術の発達と製法の発明でどんどん生活に溶け込んでいく。ガラス鏡1507年。一方中国では材料が手に入りにくいこと、陶器が好まれたことでガラスは広がらず、その影響を日本も受けた。明治の時にガラスが輸入していて、日本でも生産を試みるが悉く失敗と戦争で阻まれ、本格的に技術を高めていったのは戦後らしい。関西圏の地名が出て来た。2022/04/10