出版社内容情報
第二次世界大戦前、新潟県の新津油田を足場に全国有数の石油鉱業資本へと成長した中野貫一とその家族に関する考察。
内容説明
本書は戦前わが国の石油王と呼ばれた中野貫一とその家族三代の事業活動を振り返ったものである。貫一は現在の新潟市秋葉区金津の居宅近隣で明治7(1874)年に手掘井による原油採取に成功、その後、石油採掘事業を拡大し大正3(1914)年には長男忠太郎と中野興業株式会社を設立した。中野興業は忠太郎の時代の1930年代半ば、日本石油、日本鉱業に次ぐ産油量を記録し、昭和17(1942)年4月に国策会社帝国石油に鉱業部門が吸収される。本書では同家の石油採掘業を基軸とした多角的な事業展開とその後を辿った。
目次
序章 近世期金津村の草水稼業と次郎左衛門
第1章 手掘工法・石油製造への挑戦と塩谷事件
第2章 塩谷事件期における石油事業の実績
第3章 石油企業投資と上総掘・機械鑿井への挑戦
第4章 中央石油株式会社の設立と中野合資会社
第5章 中野興業株式会社の設立と大戦景気
第6章 戦後不況と石油事業の再編
第7章 中野興業の第二の原油増産期
第8章 帝国石油への鉱業部門譲渡
著者等紹介
伊藤武夫[イトウタケオ]
1941年三重県に生まれる。1963年岐阜大学学芸学部(現教育学部)史学科卒業。1972年立命館大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満了。1972年4月、新潟大学教養部専任講師(経済学担当)、同助教授を経て、1982年4月、立命館大学産業社会学部助教授、1984年、同教授。現在、立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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