内容説明
世界が大きな時代の変動期を迎えている科学技術は何をよりどころとし、どこへ向かうべきなのでしょうか。この問いに答えを出すためには、人々の精神・規範・文化と科学技術の関係を歴史に学び、未来社会の創造に向けてさまざま観点から議論を深めていく必要があります。このような問題意識から出発した「科学技術と知の精神文化」研究会では、毎回、多様な分野の深い知見に基づく講演を頂しています。本書は、この大変示唆に富む講演内容を合本し、科学技術の「いま」を紹介します。
目次
“総論”「科学的助言」の大切さと難しさ
現代科学技術倫理の宗教的な次元
揺りかご前から墓場の後まで―現代医療の一断面
人文学のための弁明
文系の知とは何か?―「文系学部廃止」の衝撃
革新的サイバニックシステムによる未来開拓―テクノピアサポートの時代に生きる
超高齢社会を乗り切る漢方の知恵
若手研究者が育つ条件―材料科学における事例から
心の病の変遷―統合失調症から自閉症スペクトラムへ