内容説明
プラスチックは、人類が自ら生み出した、唯一本格的な人工材料である。それにも拘わらず、その親である人類は、その加工性のよさや安価などから、単に“便利な材料”として多用するに留まり、それ独自の美の追求や表現をなおざりにしてきたといえる。この産業社会の人身御供というべきプラスチックの問題に対して、本書では正面から立ち向かう。本書は、「プラスチックの逆襲」と題して、プラスチック独自の魅力とその在りようについて、デザイン論の観点から論考する。さらに、プラスチック製造メーカにおける逆襲の実例も紹介する。
目次
プロローグ
第1部 プラスチックの考現学と美学(不本意なプラスチックの歴史;そもそも、プラスチックとは?;生活に染み入り始めたプラスチックの美しさ;デザインが生み出すプラスチックの魅力;3Dプリンタがつなぐ「つくる」と「つかう」;プラスチック開発の未来を支えるシミュレーション技術;まがいものとしてのプラスチック;今、輝いているプラスチックたち)
第2部 プラスチックの逆襲、南条の挑戦(南条とプラスチックの歩み;加飾技術の深化;“二つのデザイン”で未来を切り拓く;プラスチックの逆襲で、提案型グローバル企業へ)
エピローグ