内容説明
レスター大学の考古学チームが発見した頭蓋骨を元に復元されたリチャード三世の素顔は、大きめな顎、少し曲がった鼻、上品な唇を持つ端正な貴公子で、シェイクスピアが描く極悪非道な怪物には見えない。歴史と文学のはざまを揺れ動いてきたリチャード三世像に、今、科学の光が当てられようとしている。
目次
文学と歴史の狭間で
リチャードを扱った主な資料とその特徴
グロスター公リチャードの容姿と性格
兄クラレンスに対する裏切り
ヘンリー六世の殺害
アンとの結婚
グロスター公リチャードの北部イングランド掌握
エドワード四世の死
グロスター公リチャードの宮廷革命
ヘイスティングズ卿の処刑
グロスター公リチャードの王位簒奪
党の中の王子たちの運命
バッキンガム公の反乱
アンの死の謎
リチャード三世の最期
伝説の始まり
著者等紹介
石原孝哉[イシハラコウサイ]
駒澤大学教授。1943年、山梨県生まれ。駒澤大学大学院修了。1977‐78年、及び、2003‐4年、ケンブリッジ大学客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
19
リチャード三世というと、バラ戦争最後のイングランド王であり、シェイクスピアが見事に描き出した希代の悪人、悪党。近年この王の善人説が出てきています。これにはジョセフィン・テイの「時の娘」の影響も大きいのだとか。この大冊は、誰がどのように悪人像を作り上げたのかから、それらの記録の相違と矛盾、そして実際のこの英王の権力奪取の過程と王としての業績を、じっくりと追っています。総じてそんな悪逆でもないあの時代の普通の、成功も失敗もした武人、という印象ですね。日本人だからニュートラルに書けるんだろうな、きっと。2021/01/28
Wen@BL小説積本崩し中(欲シガリマセン読ムマデハ)
5
図書館本。2021/12/24