内容説明
歴史から紐解き、就学前、学童期、卒後までのライフステージを通しての問題点と課題を明らかにする。「切れ目なく行われる支援」「地域にかわらず等しく適切な支援が受けられる施策」が謳われているが、保育所や学校だけでなく、卒業後から高齢期とライフステージを通しての支援が求められる。
目次
プロローグ 「医療的ケア児支援法」の成立を受けて―あらためて「医療的ケア」とは(「医療的ケア」の歴史とNPO法人医療的ケアネット;「第3号研修」の現状と問題点)
第1部 就学前の医療的ケア児と家族を支える(切れ目のないケアをめざして―京都市における就学前の現状と課題;保育所・こども園での受け入れ―兵庫県/神戸市の現状と課題 ほか)
第2部 学齢期の医療的ケアと学校現場の実状(特別支援学校での医療的ケアの現状と課題;特別支援学校での看護師の役割 ほか)
第3部 卒業後、大人の暮らしと医療的ケア(大人の暮らしと医療的ケア―医療的ケア児支援センターの立場から;切れ目のない一貫性があるケアと生活をつくるために―卒業後の問題 ほか)
著者等紹介
荒木敦[アラキアツシ]
大阪旭こども病院院長(小児神経医師)・NPO法人医療的ケアネット理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たっきー
10
医療的ケア児に対する支援の実践報告や医療的ケア児支援法が2021年に施行されてからの課題等。法が施行されたからといって支援が進むわけではなく、実際には支援をする人手が必要。まだまだ人材が不足しているし、そのためには充分な報酬がないと支援は進みづらいだろうなと思った。先進的な取組みをされているところには頭が下がる。盲点だったのは、医療的ケア児支援法はあくまで児童についてだけ行政が支援の責務を負うことになっている。成人は対象外。法の名前からしてそうなのだけれど、頭の中ではあまりその区別をしていなかった。2024/04/04