内容説明
ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会の支援活動とともに、日赤などの日本からの支援があったからこその成功だった。ドク君に子どもが生まれるというニュースが報じられている今、愛と平和のメッセージとして、分離手術の秘話の数々からその意義を考える。世界的に注目された分離手術から20年、今だからこそ語れるエピソード。
目次
第1部 分離手術の歴史的意義と語り継ぐもの(誇りをもって語り継ぐ―ベト・ドク分離手術二〇周年;自分の子どもや孫のように愛していたからこそ―日本とベトナム・大きな人道主義;歴史的な分離手術から得たもの;両国の友情と理解が育まれ、新たな協力も進む―今だから明かす分離手術秘話;ベトとドクは世界の宝)
第2部 海のように広大な“人道的な思い”の成果―ベト・ドクだけでなく(二人を救う複雑で困難を極めた分離手術;植物状態のベト、神経系統の手術法を探る―日本と国をあげての支援があったからこそ;多彩な専門科医師と看護師を集めた手術チーム―歴史的意義ある手術の成功で得た最大の学び;駆け出しの麻酔医、多くを学ぶ―麻酔科医の確立へのきっかけ;分離手術の成功が、高度医療の発展につながる;分離手術準備、そして二人の養育と成長;ベト・ドクだけでなく、障害のある子どもと母親のために;自然肛門と生活にあった義足の開発―日本から術後の支援)
第3部 二人の発達に寄せて(ベトちゃん、ドクちゃん分離手術成功二〇周年記念式典に参加して;世界へ届け、“愛の車いす”運動;分離手術に立ち会う;小指の思い出;ベトとドク、二人がそれぞれ自立した歩みを始めて二〇年;結婚で変わった!ドクさんの自立と成長;分離手術にかかわった人にインタビューして;再考・ダイオキシンによる人体への被害)
著者等紹介
江崎智里[エサキチサト]
1975年生まれ。同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。東北福祉大学総合福祉学部特任准教授。ベトナムホーチミン市「サクラカフェHoa Anh Dao」オーナー
津止正敏[ツドメマサトシ]
1953年生まれ。立命館大学大学院社会学研究科修士課程修了。京都市社会福祉協議会地域福祉部長等を経て、立命館大学産業社会学部教授。男性介護者研究会代表
藤本文朗[フジモトブンロウ]
1935年生まれ。京都大学大学院修了(マスターコース)、教育学博士、滋賀大学名誉教授、全国障害者問題研究会顧問、アジア高齢者福祉研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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