内容説明
のろまでまぬけの巡査、竹さんがスケッチした終戦直後の横浜野毛のまち。そこに暮らす人々のすがたを文とイラストと写真で描く。敗戦日本を生き直す若者と人々の姿から浮かび上がるやけあとのまちの教え。
目次
1 オイコラ警官のつくられかた(警察官生活のはじまり;昭和二十三年頃の野毛かいわい ほか)
2 闇市の攻防(大泥棒の悪知恵;強盗殺人犯人の悪知恵 ほか)
3 交番の情景(職務質問;手信号巡査 ほか)
4 まちの人びと(赤いチョッキの喫茶店のマスター;デンスケ賭博師 ほか)
5 解題(都橋商店街;おかまのふじこさん ほか)
著者等紹介
伊奈正司[イナショウジ]
1926年千葉県安房郡(現館山市)生まれ。帰余尋常高等小学校卒。元神奈川県警察官
伊奈正人[イナマサト]
1956年神奈川県横浜市生まれ。東京女子大学教授。博士(社会学)(一橋大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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苦虫
5
死んだ浜っ子のばあちゃんに読ませたかった。戦後の野毛のアウトロー(風俗、ヤクザ、博打)で混沌とした様子を新米刑事が見た記述。研究者ではないエスノグラフィーもまた新鮮でした、読まれることを意識してるのか短い文の中に、起承転結でちゃんとオチがあるのが良い。パキパキとした文章と味のある版画風の絵が良い。近年は小学生の交通安全おじさんをされているらしい。2016/11/16
清 義明
0
本書の解題を書かれている伊奈正人という名前にどうも見覚えがあったのだが、何年も前に読んだ『サブルカルチャーの社会学』の筆者であった。はっきり書かれていないが、本書の主人公の野毛の新米警官のノロマの竹さんは実父ということなのだろう。野毛の昔が書かれていて興味深く読んだ。野毛はやはりディープであり軽薄でもありノンキでもありハードでもあった。2019/04/26
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