感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古本虫がさまよう
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この本を居間で読んでいたら、子供に「パパがまたエロ本を読んでいる」と言われてしまう?いやいやこれは学術書と応えたが。1946年に創刊された東西芸能出版社発行の「週刊アサヒ芸能新聞」は、その後「アサヒ芸能」に発展していく。芸能界の宣伝新聞だった存在から性風俗など中心の媒体に変化していく。そうした端境期を体験した元編集者などへの聞き取りも行ない、また徳間書店の資料室で過去のバックナンバーを漁り、この週刊誌の軌跡を辿りながら、日本の戦後の性風俗を解明していく。売春防止法、赤線廃止、吉原変貌なども見ていく。2017/09/08
わす
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恋愛を輸入しても家制度を引きずる日本では、結婚後母となった妻に対し夫はどう性関係を結ぶべきかわからず買春する。売防法施行後は買春できず夫婦で性関係も結べない状況下で、アサ芸が新秩序と身体のズレを埋める物語として機能。また、アサ芸は男の妄想を具象化するだけでなく、売防法を支えた理念を具体化した。つまり男女の平等や個人の自由、基本的人権といった近代的理念を内包した恋愛をアレンジ〜翻訳していった…というが、どうもピンとこない。売防法施行前の赤線、あるいは戦前までの遊廓がどのように語られたかいずれ比較してみたい。2023/07/16
tkm66
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面白かったっすよ。ただ<論文>ですからね。2010/11/05