ヴィレッジブックス<br> 脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち

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脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 449p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784863329249
  • NDC分類 936
  • Cコード C0197

内容説明

こんな極寒の地でこのまま朽ち果てたくない―第二次世界大戦のさなか、ポーランド陸軍騎兵隊中尉だったラウイッツは無実にも関わらずソ連当局にスパイ容疑で逮捕された。苛烈な尋問と拷問の末、下された判決は25年間の強制労働。そしてシベリアの強制収容所へと送られた。意を決した彼は6人の仲間と収容所からの脱走を計画し、見事成功する。なんとかシベリアの原野を抜け、徒歩で一路南へと移動を始めた彼らだったが、その前途には想像を絶する試練が待ち受けていた!極限状況を生き抜いた男たちの、壮絶なるノンフィクション。

目次

尋問と拷問
判決―二十五年の強制労働
家畜車輌
旅路の果て
鎖の大蛇
死の行進の終わり
第三〇三収容所
救いの手
計画と同志
脱走、一路南へ
湖畔の少女
少女の告白
危機一髪
モンゴル入国
心優しき人々
ゴビ砂漠
新たな犠牲者
灼熱地獄
貧しくとも気高い人々
突然の悲劇
ヒマラヤ越え
雪男
旅の終わり

著者等紹介

ラウイッツ,スラヴォミール[ラウイッツ,スラヴォミール][Rawicz,Slavomir]
1915年、ポーランドに生まれる。大学で建築学を修めたのち、ポーランド陸軍騎兵隊中尉として侵攻してくるドイツ軍と戦う。1939年、ソ連軍の捕虜となり、強制労働25年の刑を受ける。1941年、西シベリアの第303収容所に送られるが脱走し、1年余りかけてインドに逃れた。第2次世界大戦末期にイギリスに渡り、同国の女性と結婚。2004年、88歳で波乱に満ちた生涯を閉じた

海津正彦[カイツマサヒコ]
1945年、東京・八王子に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HoneyBear

36
体験に基づいて脚色された物語という前提で読んだが、淡々と話が進むのでかえって迫力があった。ポーランド軍将校であるというだけで(ナチスと戦っていたにも拘らず)ソ連軍から酷い拷問を受け(認めれば死刑)、これを耐えきると窓も排泄場所もない家畜車に何日も詰め込まれて極寒のシベリアへ。徹底的に人間の尊厳を踏みにじるプログラムがあった。(今も紛争地には多いだろう。)そう言えば、カチンの森事件もナチスに擬したスターリンの仕業だった。脱出行が主題だが、東欧の民族(ウクライナを含む)の複雑な歴史や悲哀を感じた。2016/02/20

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

35
凄まじい内容だか実話である。第二次世界大戦中ポーランド騎兵のラウィッツはソ連軍に拘留される。毎晩の拷問と「煙突」と言われる管の中で立ったままの拘置所。12ヶ月ののちシベリアに送られる。実に1,400キロもの真冬のシベリアの道のりを鎖につながったまま徒歩で歩かされるのだ。囚人達も護衛のロシア人も死んでいくような道行きである。そして強制収容所からの脱走。インドまでどう歩いたか。これが実話とは本当に本当にびっくりである。2016/03/09

スー

26
36また拷問シーンがある本を読んでしまった、というわけで少し休止しましたが収容所で脱走する仲間集めそして準備と収容所司令官の奥さんの支援と話が進むとまるで大脱走を観てる様な感じでワクワクしながら読み話が進み途中で出会って新たに加わった仲間と過酷な脱出行そして彼等の失われないユーモアと不屈の精神を何度も見せられメンバーを好きになりすぎゴビ砂漠に入ってからは辛くて読むのが止まってしまいました。彼等が出会ったモンゴル人やウイグルの人達の優しさと純朴さに心が洗われる様でした。人は環境によって邪悪にも天使にもなれる2022/05/04

活字スキー

25
極寒のシベリア収容所での強制労働を課せられた男たちが、解説のシーナさんもびっくり6500kmをひたすら歩く極限の逃避行……て、いやいや!何の準備も予備知識もなく、ほとんど着の身着のまま出たとこ勝負でゴビ砂漠横断にヒマラヤ踏破とか、いくらなんでも話盛り過ぎやろ!?一応ノンフィクションとの事だが、終盤のアレも含めて話半分とは思いつつそれでも、仲間の存在に支えられながら生死の狭間を一歩ずつ攻略してゆく姿や、あっけなく訪れる残酷な運命にハートを鷲掴まれながら一気に読了した。2016/02/05

やまはるか

24
ホーランド軍中尉スラヴォミール・ラウイッツが6人の仲間とシベリアの収容所を脱出してインド駐留の英軍に救出されるまで、斧とナイフ、当座の食糧と粗末な衣類でシベリア、ゴビ砂漠、ヒマラヤを1941年~12ケ月を費やして歩きとおした実録。赤い棒杭が立つソビエト・モンゴル国境を越えた喜び。モンゴル、チベットの平原で稀に出会う人々の無償の歓待。頽れた仲間との永遠の別れ。主人公は病院に収容された後、錯乱状態で意識を失い一ヶ月近くも眠って現実に戻る。砂漠と高山を越える南の選択は西を目指した「我が足を信じて」以上に厳しい。2022/09/20

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