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内容説明
淡い初恋、ガキ大将との決闘、初めてのキャンプ、…コーリー少年の毎日はさまざまな出来事に彩られ、あっという間に過ぎていった。しかし、殺人事件の謎は未だにコーリー家の生活に影を落としつづけている。魂を持つ自転車に助けられながら幾多の危機を乗り越えて、真の勇気とはなにかを知り、愛するものを失う悲しみを知ったコーリー。魔法に満ち、すべてが輝いて見えた日々に別れを告げ、大人への階段をのぼりはじめた彼は、ついに殺人犯の正体を突き止めたかに思えたが、意外にもその人物は―。過ぎ去った12歳を懐かしむすべての人に捧げる、青春小説の大傑作。世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。
著者等紹介
マキャモン,ロバート[マキャモン,ロバート][McCammon,Robert]
1952年アラバマ州バーミングハム生まれ。アラバマ大学でジャーナリズムを学んだあと、新聞社勤務などを経て1978年作家デビュー。『スワン・ソング』『少年時代』で2度の“世界幻想文学大賞”を受賞。他にも数々の受賞歴を誇る
二宮馨[ニノミヤケイ]
1945年静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
194
下巻に入っても、空想好きなコーリーの冒険は続く。1964年のゼファーでの物語… コーリーが語る 古き良き時代の アメリカの田舎町… 空想は とめどもないが、底に流れる 故郷への想いは 共感できる。少年の眼を 通して 描かれる 1964年のアメリカ …甘く セピア色の物語だった。2018/08/09
chiru
71
父親と少年が遭遇した殺人事件を通して、人生の不条理や、大人になるとは、なにかを捨てたり失うことだと少しずつ知る少年。 一緒に悩んで見守る父親の言動すべてに、ぎゅっと胸をつかまれる。 吃音症の友達がお別れに空へ向かって投げたボールが、いくら待っても落ちないシーンに涙線が緩み、犬との別れに泣き、父親が息子を命がけで助けるシーンで感動を味わう。 作家になった少年が帰郷するラストは、涙をこらえることができない。 わたしもこの街が懐かしくなるほど惹きこまれました。 娘にも読ませてあげたい。 ★5 2018/08/16
goro@the_booby
51
最高に面白い物語。少年時代があったのかとこの歳になってつくづく思う。再読なのに忘れてるんだから遠い昔はねぇ~。レディの言葉がよくわかるわ。2023/06/27
タカギ
25
おお、あれがこうくるのかー、という伏線の回収がミステリっぽいけど、軸足があるのは家族小説で、青春小説。そう、少年時代。当時の少年は本当に少年だな、としみじみ思う。コーデュロイのシャツにジーンズ、自転車、いじめっ子、遊びは基本的に外、最大の娯楽は映画。家族や友達、近所の人たちとのつながりがとても濃密。それは鬱陶しいことも多いだろうけど、楽しくもあっただろうと思う。個人的には私は清潔な現代が好きなので、不潔な描写がつらかった。全然潔癖ではないけど。2021/05/25
kuroday
13
ある場面ではホラーを執筆するのは辞めてないのでは?と思うほどの霊的な展開。そしてある出来事には思わず涙腺が緩んでしまうほどの切なさ。 この町で暮らす様々なファンタジックな人々との出会いにより、12歳の少年コーリーが死後の世界や神さまの事をどう考え、そして春に起こった奇妙な殺人事件をどう乗り越えて行くかなど読み応え十分な下巻だった。 明日は、生まれ育った町、ゼファーのように小さな町となってしまった田舎へお盆帰りをする。 いいタイミングでこの本を読了した事に何かしら意味を感じてしまった。2018/08/10