内容説明
関わった誰もが涙ぐみながら思い出を語るという、伝統の「箱根駅伝」。往復214キロ、12時間にも及ぶそのレースを生中継するという、常識破りの冒険に挑んだ伝説のテレビチームがあった。しかし、彼らには、想像を絶する過酷な条件が待っていた―。必ずたどり着いてみせる。仲間を信じて。技術力を信じて。初の「山岳ロード生中継」という、前代未聞のゴールまで。
目次
箱根駅伝に魅せられて
ゼロからのスタート
伝統の「箱根駅伝」
怒涛の日々
箱根狂騒曲
往路中継スタート!
危うい復路中継
只隈選手と高橋選手
栄光のゴールに向けて
宴のあと
初中継成功の裏で
先駆者からのタスキ
著者等紹介
原島由美子[ハラシマユミコ]
東京都生まれ、慶応義塾大学法学部政治学科卒。朝日新聞社の記者として、サッカー、フィギュアスケート、モータースポーツ(F1)、野球、陸上競技、長野五輪などを取材。2006年よりフリーのスポーツライターに。雑誌「AERA」「週刊朝日」を中心に取材・執筆をするほか、翻訳も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
113
箱根駅伝に魅入られ、23年越しの夢「箱根駅伝生中継」を叶えた日テレのテレビマン坂田信久。当時の電波事情と技術では、どの局も、日テレ局内でさえ不可能だと思われていた。立ちはだかる箱根の山々。勃発する問題の数々。仲間の結束。熱いお仕事ストーリーの茎に、駅伝選手、監督、関わる人の純粋な思いが花を咲かせる。『今昔物語』を差し入れた理由。タスキを渡す瞬間を、特に走り終えた選手の姿を丁寧に届けることに重きをおいた哲学。制作の裏方が大切にしたものを読みとりながら生中継を観て、懸命な選手に心を震わせる至福。この本、最高!2019/01/03
夜長月🌙@読書会10周年
58
今やお正月の恒例行事となった箱根駅伝観戦。さて、そのテレビ中継が始まったのは1987年(それまでは録画+ゴール付近だけ生中継)と意外と最近のことです。技術的な問題からマラソンの世界初のテレビ中継から遅れること23年となりました。この作品はその中継初年度の日テレの苦闘を描いたノンフィクションです。なんといっても箱根の山は屈曲したコースが続き電波が通りません。中継画像をつなぐのはまさにタスキリレーの如く万全の準備と練習が必要だったのです。2018/12/30
へたれのけい
3
なんか、いい。切り口もいい。ウェットさもいい。お正月の本です。2016/01/07
miki mikan
3
初めて箱根駅伝の生中継に挑んだTV局の人達のノンフィクション。不可能と言われていた生中継を成功させるためにチーム一丸となって苦難を乗り越える姿に感動。また、「テレビが箱根駅伝を変えてはいけない」にこだわっているという。ありのままの駅伝を伝えようとする姿勢に共感‼2013/02/05
miri
2
はじめての駅伝山岳生中継に挑む姿をみると、普段何気なくみているテレビが、そこに映し出される競技者だけではなく、関わった人々の努力や思い、歴史などものすごい物語性を放っていることを知る。2018/12/18