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内容説明
家族と引き離されたステラは、アリゾナにある学校でニュー・チルドレンたちと暮らしていた。厳重な監視下でも、彼ら独自のルール、文化は着実に育っていた。ステラはそこで3年前、捕らわれた先で出会った森に住む少年ウィルに再会する。一方で、原因ウイルスの解明に奔走するケイは、傍に寄り添う不思議な存在を感じていた。考古学の世界に戻ったミッチも人類進化の新たな道しるべとなりうる考古学的発見を目にする。これは何かの暗示なのか?同じ頃、初潮を迎えた新人類の女児たちがある目的のため“特別な旅行”へ連れ出される。そのなかにはステラの姿もあった―異なる種の共生、その限界と可能性を問う衝撃作。
著者等紹介
ベア,グレッグ[ベア,グレッグ][Bear,Greg]
1951年、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。アメリカSF界の第一人者として、精力的な活動を続けている。ネピュラ賞受賞作『ダーウィンの使者』、ネピュラ賞、ヒューゴー賞受賞作『ブラッド・ミュージック』、ネビュラ賞受賞作『火星転移』などがある
大森望[オオモリノゾミ]
1961年、高知市生まれ。京都大学文学部文学科卒。翻訳家・書評家・アンソロジスト
島本範之[シマモトノリユキ]
翻訳家。あもにコンピュータの分野で活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RIN
14
『ダーウィンの使者』→本作上巻→下巻と失速感が半端ないのは私だけだろうか。人類の進化が急速に進み共生することになりつつある世界で、旧人類vs新人類の課題や対立なり共栄なりの一つの解決策が示されるのかと思いきや、何とも、「えっ?これで終わり?」な印象は拭えない。コミュニケーションの手段が異なると価値観も社会観も全く別のものになる、という示唆は興味深かったのだが。それにしても「進化」って何だろ?とも感じさせた。超能力のようなものを持つことが「進化」ではないんだ、というのも一つの新たな視点だった。2013/04/07
siva
6
たあ、ダメだ。グレッグ・ベアは合わない。前作でもあんまり‥と思ったが、今回ではっきりした。広げた風呂敷を綺麗に畳めずクシャクシャにして放り出した感じだった。2016/06/25
roughfractus02
4
政府の異なる者の隔離から逃れる考古学者と分子生物学者の両親は、ソバカスを動かし、匂いでコミュニケートし、二重発声で会話する娘を受け入れている。異なる者との共生は家族の中では持続するが、社会においては排除の力が働く。この関係は「ウィルス・チルドレン」を受け入れるキリスト教以外の宗教世界と排除するユダヤ・キリスト教世界という背景の対比に読者を導く。知恵の実を食べたアダムとイヴの原罪以来、「胎生」に対する宗教的価値観によって引き起こされる不寛容と混乱は、異なる者を描くSFジャンルにも共生という問いを投げかける。2018/08/22
ni-ni-
1
上巻は息をつかせぬ疾走感があって面白かったのだが、下巻はあれれ…?な展開。2012/11/17
ナカユ〜、
1
正直尻すぼみ感は否めないんだけど、やっぱりグレッグ・ベア!、読ませてくれます。2012/03/21