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内容説明
「ぼくには、どこにも居場所がない」―実母によるすさまじい虐待から逃れ、ようやく子どもらしくのびのび暮らせると思えた里子としての暮らし。しかし、そこでも数々の試練がデイヴを待ちうけていた。母親から離れてもなお恐怖にさいなまれ、それでも母親に愛されたいという思いに心を揺さぶられる日々。学校や少年院でのつらい出来事や世間の偏見の目にさらされながら、それでも希望を捨てずに自分の生き方を探しつづける。米国カリフォルニア州史上最悪といわれた児童虐待の体験者が自ら明かす、少年期の記録。
目次
プロローグ 家から逃げる
第1章 泣きさけぶ天使
第2章 母さんとの裁判
第3章 ぼくもふつうの子?
第4章 父さんに会いたい
第5章 友だちの裏切り
第6章 母さんのわな
第7章 身代わりの弟
第8章 ぼくの居場所
第9章 旅立ち
エピローグ ふたたびロシア川へ
著者等紹介
ペルザー,デイヴ[ペルザー,デイヴ][Pelzer,Dave]
カリフォルニア州デイリーシティに生まれる。州史上最悪といわれた児童虐待を生きのび、その後、米空軍に入隊。一方で、自らの経験を活かして、カリフォルニア州各地の児童自立支援施設および青年援助プログラムで活動を続ける。児童虐待にたいする一般の認識の向上およびその防止に力を注いだとして、米国内で高い評価を得ている
田栗美奈子[タグリミナコ]
翻訳家。お茶の水女子大学英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
43
あんなに酷いことをされたのに、母を想い、父を恋しく思う気持ちが抑えられないデイビットが健気で哀しい。なぜ母はあんな仕打ちをしたのか、自分は愛されているのか。幼年期篇で地獄のような壮絶な虐待から救い出されたデイビットは里子として暮らし始める。しかし、不安定な精神と自己否定の中で徐々に追い詰められていく。酷い実母の事も、辛い毎日の記憶も、忘れてしまえばいいのに…と思う一方、虐待の後遺症。体に残る傷だけじゃない、心にも傷があることを認めざるを負えない彼の少年期をみた。愛情を探すデイビットの必死さが胸を熱くする。2020/10/20
carl
7
4部作になっていたとは・・・悲惨なノンフィクションなんだけど、読む順序を間違えたんでピンとこなかった、あと三部はもういいや。2016/10/02
鈴木 千春
4
母親の虐待から里親のもとに。 しかし、デイブは、父母からの愛情を追い求める。 里親の愛情では飢餓感は満たされない。 アメリカ社会の階級意識、差別の凄まじさに驚いた。 なるほど~ だから、人権啓発運動が盛んなのかー。 日本の虐待問題や里親制度はどうなっているのか? 何か良い本があるかしらん。 青春期、完結編も買っているので、今後のデイブが、どう成長を遂げるのか期待しながら読みましょう。2023/04/30
キャンタ
4
幼年期より、心が痛かった2022/04/09
ちやむ
3
児童虐待は、児童を保護した後も、世間の里子に対する偏見等、将来への悪影響が計り知れない。社会の受け皿も曖昧なので、今の社会性の稀薄な日本社会で、今後こうした問題が拡大していくことは容易に想像がつく。2017/07/08