内容説明
『変身』ほか不朽の名作を完全コミック化。
著者等紹介
カフカ,フランツ[カフカ,フランツ][Kafka,Franz]
1883~1924年。チェコ出身の作家。プラハ大学在学中に小説を書きはじめ、卒業後は、労働者傷害保険協会に勤めながら執筆にはげむ。若くして結核にかかり四十一歳で死去
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nbhd
21
良い本。カフカ作品のコミック化というより「点と線」化。柴田元幸さんの帯文によれば「正確な翻訳」。「変身」は〈食べ物や食欲〉について書かれたものだとあとがきで指摘されていて目からウロコ気分。〈食べ物や食欲〉は権力と経済の源でもあって、だから「変身」に、カフカに、の普遍性があるっていう指摘、なるほど。2014/09/28
メセニ
11
大きな声では言えないが、実はカフカは『変身』しか読んだことがなく、それも10代の終わり頃に手に取り何だかよく分からないうちに読み終えた記憶があるのみで、不条理だなんだとありきたりな感想を持ったかすら怪しい。なので西岡兄妹の施した「翻訳」がカフカの世界観を如何に表現しているかという偉そうなことは1ミリも言えないけれど、きっちりとそう断った上で本書は十分に面白い。カフカの珠玉の短編たちであることを忘れ一つの読み物として楽しめる。元を知っているに越したことはないが、例えばこれをカフカ文学の入り口にしても良い。2017/04/06
ユカ
5
カフカの世界と西岡兄妹の画。ぴったり。カフカはそんなに好きじゃないのだけどそうは言いつつもついチラ見してしまうような存在。西岡兄妹が仲介してくれて、今度会ってみようかな、とまで。それにしても時々、絵をすみずみまで眺めてしまうのでそこで止まってしまう。何日かかかって読了。2013/10/25
aoneko
4
西岡兄妹がカフカの短編を画にした作品。どこか不気味さを感じる繊細な線の画と訳者の文章の入り方のバランスが凝ってる。カフカは一つしか読んだ事がなかったけれど、どの短編もさわりとしてはカフカ読んだーって気にはなって、おもしろかった。「バケツの騎士」「変身」が特に印象的。オリジナルも読んでみたいところ。2013/02/08
空猫
3
西岡兄妹さん、初読み。小説を漫画化、映像化するのは責任も度胸も読解力も必要だが、作者の絵の雰囲気はカフカの不条理な世界とぴったり。[一度読んで理解できない作品は何度も読んでみること]を学ぶ。作者によるあとがきがまた逸品。他の作品(特に絵本)も読んでみたい。2014/08/28