ホテル・ルワンダの男

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784863320253
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

緑豊かな丘に囲まれたアフリカの小国、ルワンダ。しかし、長年つづいていた民族間の諍いが、1994年、大量虐殺に発展した。わずか100日の間に80万人以上が昨日まで隣人だった人に殺された。子供も女性も年寄りも見境なく―。のちに「20世紀最大の悲劇」と呼ばれるようになるこの事態を国際社会は黙殺しようとし、国連さえもルワンダを見捨てかけた。そのとき、一人の名もなきホテルマンが、持てる知恵とわずかな人脈だけをたよりに殺戮から逃げてきた人々をホテルにかくまって、1200人以上を救った。家族思いの平凡な男がどうやって虐殺に立ち向かったのか。これは自らの体験をつづったものである。

目次

序文 ホテルと鉈のあいだで
第1章 バナナビールの国
第2章 フツとツチ
第3章 ホテルマン
第4章 煽動
第5章 虐殺の朝
第6章 ホテル・ミル・コリン
第7章 命綱
第8章 黙殺されたジェノサイド
第9章 脱出
第10章 残骸
第11章 平凡な人々

著者等紹介

ルセサバギナ,ポール[ルセサバギナ,ポール][Rusesabagina,Paul]
1954年、ルワンダの農家の息子として生まれる。神学を学んでいたが、観光業の道へ進み、ルワンダの首都キガリのホテルで支配人を勤める。1994年、大量虐殺が起こったとき、逃げてきた人々を自らの判断でホテルにかくまい、1200人以上の命を救った。その後、ベルギーに亡命。本人の体験をもとにした映画『ホテル・ルワンダ』は、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞などにノミネートされ、国際的にも高い評価を得た

堀川志野舞[ホリカワシノブ]
1976年生まれ。横浜市立大学国際文化学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

91
はじまりは「言葉だった」と作者は記している。100日間で80万人。政令指定都市が一つ消滅する規模の殺戮。ボタンを押して顔がみえない敵を攻撃するんじゃなく、隣人や同級生を鉈で切り殺して積み重ねた数だ。映画では伝えられなかった〈ルワンダ人〉の闇。〈普通の人〉が躊躇いなく人を殺せるようになる過程が淡々と描かれる。本書によれば、惨劇に向かう道筋は、充分な時間をかけ〈言葉〉によって熟成されたという。言葉が死を招いた。だが、2000人の命を救ったのも言葉の力。76日間〈命の砦〉を一人で守り抜いた男の記録と悲しい歴史。2015/02/16

キムチ

63
映画を見たのは6年ほど前。衝撃的なインパクトは今でも記憶に在る。映像に記憶が有ったスーツ姿のホテルマンがこの本の筆者。一貫して理性的な態度、物言いは役者が演技だったが、この作品で語る彼の冷静、内省的な思考スタイル、抑えた筆致は十分に人となりが出ている。20C最悪と言われるジェノサイドは1994年アフリカの小国で起きた。ツチトフツ・・生活習慣や外見の僅かともいえる相違を超える民族間の500年超の憎しみは老若男女問わず鉈で切り刻まれて殺戮された・・100日間で80万人以上。当時の米大統領はクリントン、アフリカ2022/05/24

かおりんご

59
ルワンダのジェノサイドについて書かれた本。以前、この映画をすすめられて見たことがあるけれど、映画よりも、支配人の男性の心の動きや状況が分かった。生い立ちから話はスタートしているので、実際のジェノサイドの内容は、そんなに多くはない。悪いことは悪いと言え、困っている人に優しく手をさしのべる勇気を、忘れてはいけないなと強く思った。あと・・・自衛隊が、もしこんな地域に派遣されたらと、考えずにはいられなかった。2015/03/13

Mayu

19
ほんのつい最近、私が生まれた後の世界でこんな悲惨な事件が起きたことに震撼しました。最初に語られる平和だった頃のルワンダの美しさや、牧歌的な暮らし、おとなしく、優しい国民性などが、この悲劇の悲惨さをなおさら際立たせているように思いました。なぜこんなことが起きてしまったのか、この国独自の歴史と植民地支配、経済的な事情など、込み入った事情があり、最初にWikiで読んだときは理解出来なかったことが、この本のおかげでよくわかりました。ファクトフルネスを読んで、アフリカについては小学生くらいで習ったことから自分の知識2021/05/31

ののまる

15
ルワンダのジェノサイドは、何度読んでも「一体なぜ!!??」と思う。いろんな要素が組み合わさったにしても、なぜ隣人が隣人を突然殺せるのか。ラジオで読み上げていたアナウンサーは何も考えていなかったのか。人を信じられない状況でも、人を救う人がいた。2019/10/21

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