内容説明
出獄人(刑務所出所者)を受け入れる社会のために!「準国事犯」としての投獄経験から出獄人(刑務所出所者)の保護活動を始め、「免囚保護の父」と呼ばれた原胤昭が、五十年に及ぶ自らの保護事業を語る。出獄人たちが置かれている苦境の具体的な説明だけでなく、その改善策をも提示する。
目次
緒言
前科者の総数
恩赦
昭和二年の恩赦
恩赦の種別とその説明
昭和復権令の恵沢
戸籍の汚れ
犯罪人名簿
身分証明の行路難
寛大なる身分証明
無限に追放さるる同胞
刑は厳正に、赦は深重に
最大の矛盾
彼らを遇するの途
前科者諸君に告ぐ
著者等紹介
原胤昭[ハラタネアキ]
社会事業家、教誨師、「免囚保護の父」。江戸南町奉行所で与力を務め、石川島人足寄場などで働いた。明治期になり、築地英学校に入学。クリストファー・カロザースから受洗し、東京第一長老教会の設立会員となる。そこで日本で初めてサンタクロースを演じた。また、日本最初のキリスト教書店・十字屋(今日の銀座十字屋)および原女学院(日本女子大学の前身の一つ)を設立。福島事件に際し、その指導者の錦絵を出版したために出版条例違反で石川島監獄に収監。東京出獄人保護所、中央慈善協会を設立。さらに日本で初めて本格的に児童虐待の問題に取り組み、児童虐待防止協会を設立。(1853‐1942)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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