出版社内容情報
ひとつの公害病として、水俣病が公式に確認(1956)されてから今年(2017)で61年がたつ。この間、水俣病闘争、見舞金契約、認定問題など政治的社会的にさまざまな動きがあった。それは今も続いており、胎児性水俣病などを含めて世界的に水銀汚染が問題になっている。しかし、水俣病はその大半が未解明のままなのである。本書は、初心者も含めて、「水俣病」の病名、メチル水銀汚染の海域の範囲、毛髪水銀値からみた健康影響、社会的な「認定」と医学的な「診断」の違いなど未解明の問題点を講義した、その記録集
内容説明
この事件との50年近い取り組みを通して、何が事件の解明を妨げてきたのか、そこから何を教訓として学ぶべきかを、次代の人々に伝えたい。現在、地球上に広がる水銀汚染から新たなメチル水銀中毒の被害を発生させないために。
目次
第1部 “水俣病”研究六〇年の評価と今後の課題(水俣病研究会の足跡;熊本大学医学部水俣病研究班;認定と診断はまったく違う;“水俣病”の疫学調査は世界標準か;「最終解決」の意図するもの)
第2部 未解明の“水俣病”事件(“水俣病”未認定患者の「救済」―政治解決の意味するもの;チッソの倒産処理と補償責任のゆくえ)
著者等紹介
富樫貞夫[トガシサダオ]
1934年生まれ。山形県高畠町出身。東北大学法学部卒業後、同大学助手。熊本大学法学部講師を経て同大学法学部教授。現在、熊本大学名誉教授、同大学学術資料調査研究推進室委員。水俣病研究会代表、一般財団法人水俣病センター相思社理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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