内容説明
傑物か、世外の人か、三井の番頭か。長州ファイブのリーダー・井上馨(1835‐1915)が描いた近代化=欧化政策の本質はどこにあったのか。膨大な資料と縁者からの取材をもとに虚像と実像のはざまを埋める戦後初の本格評伝。
目次
1 開国論への挑戦―幕末維新期
2 資本主義の誕生―明治初期
3 近代のデザイン―明治中期1
4 条約改正への道―明治中期2
5大農論―明治中期3
6 日清戦争と朝鮮改革―明治後期
7 ユダヤと日露戦争―明治後期~大正四年
8 世外の人―没後
著者等紹介
堀雅昭[ホリマサアキ]
1962年山口県宇部市生まれ。山口大学理学部卒業後、製薬会社研究所(薬理研究室)、中学校臨時教師を経て作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dm
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井上馨の思考の柔軟性や行動力、仁義を重んじた人間関係の構築など、非常に参考になった。 井上馨による尾去沢銅山の銅の輸出を目的として井上馨やハワイ官約移民を主導したアーウィン、益田孝、岡田平蔵、木村正幹、吉富簡一、藤田伝三郎が立ち上げた千秋会社(千収会社)から井上馨が政府に入る際に抜けた後に、三井組国産方と合併して三井物産ができたことには大変驚いた。(その後は三池炭鉱の石炭輸出で稼いだことも驚いた)。そして、何より井上馨は体が弱く、よく温泉で療養していたこともまた興味深かった。2023/09/27