目次
序章 研究の目的・意義・方法
第1章 新制高等学校発足期の「国語科」像
第2章 戦後転換期の「国語科」像―「文学編」「言語編」分冊教科書の研究
第3章 高度経済成長期の「国語科」像―益田勝実国語教育論を視座に
第4章 精選と多様化の中の「国語科」像
終章 高等学校「国語科」における教科構造史の試み
著者等紹介
幸田国広[コウダクニヒロ]
1967年東京都生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業、早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。法政大学第二中学高等学校教諭を経て、東洋大学文学部教育学科准教授。他に、教育出版高校国語教科書編集委員、NHKラジオ高校講座「国語表現1」講師も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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虎哲
1
新制高校発足から平成元年版指導要領までの約半世紀を複数の資料から立体的に論じた高等学校国語教育史の大著である。過去の科目編成や教科書を論じる際にこの点が失敗であったという論に終始してしまいがちだと思っていたが、幸田先生は高等学校国語科に与えた可能性を丁寧に掘り起こすこともしている。「資料の博捜と詳細な分析」によって、「古典を含む言語文化に特化した必修科目と表現技能に特化した必修科目二本立てによる教科構造」(311頁)の必要性を訴え、事実「現代の国語」「言語文化」が新設された。果たして〈潜勢力〉を超えるか?2019/03/31