目次
第1部 序章(部屋とユング;ウルフとユング)
第2部 作品について(『船出』―表向きの部屋と背後の部屋;『夜と昼』―女性の三つの部屋;『ジェイコブの部屋』―男性の部屋;『ダロウェイ夫人』―空間と意識の階層;『燈台へ』―空間の意識から意識の空間へ;『オーランドウある伝記』―樫の木と木曜日にみる集合的無意識;『波』―花と木にみる意識と無意識;『私自身の部屋』―四つの部屋)
著者等紹介
土井悠子[ドイユウコ]
広島女学院大学大学院博士後期課程修了。広島市立大学国際学部准教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kumiko Fujiwara
1
ユングの夢分析から意識の階層と部屋という空間を関連付けて、ヴァージニア・ウルフの作品を分析した本。フロイトが主流の日本で、ここまでユングを使ってウルフ作品を切れた人はいないのかもしれない。そういう意味で、貴重な論考。ユングからウルフ作品を見ているというポジショニングで、ウルフ作品がユングを話すために使われている、といった印象だった。 『ダロウェイ夫人』の章はいささか、強引な結び付けがなされており、無理があるなという印象だったが、先行研究の整理が美しく参考になった。2019/07/11