内容説明
元外科医の現役弁護士が医療過誤事件のリアルを小説化!
著者等紹介
富永愛[トミナガアイ]
弁護士法人富永愛法律事務所代表弁護士。大阪弁護士会所属。1999年に司法試験合格後、東京の弁護士事務所に勤務。その後、国立大学医学部に進み、卒業後は一般病院で外科医として勤務。初期研修では内科・整形外科・産婦人科・小児科・地域医療等を、後期研修では、一般外科・消化器外科の経験を積み、外科専門医を取得。2011年、医療を専門とする法律事務所として、富永愛法律事務所を設立。医学部在学中から、現在に至るまで、多数の医療紛争の相談に応じ、医療訴訟を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ma-bo
92
元外科医で弁護士の白川銀子が主人公。作者が同じ経歴にて自らの体験を元に医療過誤事件を小説化。登場人物はフィクションですがモデルになる人は何人もいますとの事。医師側ではなくて患者側に立つ医療専門の弁護士は少ない。14年前に師匠と仰ぐ弁護士と初めて戦った医療訴訟、そして同じ病院で起こった冒頭で描かれる医療ミスと思われる手術の裁判。このストーリーを書いたのは患者さんや遺族の立場でミスかどうかを判断できる人が僅かしかいない現実を伝えたかったからとの事。続編もあるかな2025/04/17
ナミのママ
77
著者は元外科医の現役弁護士。作品の主人公・銀子も元外科医の医療専門患者側弁護士という設定。ステージ1の直腸癌で手術を受けた58歳の男性、その死に不審を抱いた家族からの依頼。医療裁判とはどんなものなのか、読むとよくわかる。生々しい手術の様子は外科医ならではの描写だ。関わった医療関係者、過去の医療過誤事件、法廷での様子がドキュメンタリーのように書かれている。そしてあとがきにある作者の言葉が厳しい現実を語っている。当事者にはなりたくないが、知っておく価値ある内容だと思う。2024/11/21
さっちゃん
42
弁護士と外科医のダブルライセンスを持つ白川銀子は医療専門の患者側弁護士。ステージⅠの直腸がん手術の3日後に大量出血死した男性の医療過誤裁判を軸に、術中死した女子大生の裁判などを通してリアルな医療過誤裁判を描く。/専門用語は適宜注釈がありわかりやすい。読んでいる間ノンフィクションを読んでいるような気分だった。続編もありそうな雰囲気。/「私のような外科医の弁護士がいなければ、誰がオペ室というブラックボックスをこじ開けられるのだろう。」という銀子の言葉が心強い。医療ミスがあっても素人に真実はわからない。→2025/01/13
punyon
34
著者が弁護士と医者のダブルライセンスの持ち主で、事例をモデルに本作を書き上げたらしいが、医者目線、弁護士目線のつっけんどんな文章。被害者家族の感情に寄り添う表現が見当たらない😖他人の身体を傷つけても修復したらミスではないと言い切る医者の低モラル。医療知識を身に付けず、差し出された資料だけで判断を下す裁判官の低レベル。弁護士の勝つ事優先、思いやりの欠片もない傲慢さ。銀子のダブルライセンスの自信過剰。所謂、上級国民の思い上がりにイライラ。最後は正義感前面のいい話で締め括ったようだが、私には嫌悪感だけが残った2025/02/22
達ちゃん
18
医療過誤事件の事がすごく分かりやすく書かれていて、読んで良かったです。それにしても医者で弁護士ってすごい!2025/03/28