感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
33
安心して絶望できる人生って、とても大切な概念だと思います。当事者研究というものがしっかりと成立しているのかはわかりませんが、だれもが安心して絶望できる人生は、安心して悩むことができる人生であり、自分なりの課題に苦しみながら向き合う時間が許されることであり、寛大な社会です。市場化の流れのなかで競争で勝つことが評価されているなかでとても重要な概念だと思いました。この概念を深めたいです。2019/06/17
おもち
7
べてるの本2冊目。やはり「右肩下がり」「降りていく生き方」といった言葉に慰められ、希望が湧いてくる。当事者の解釈のおもしろさ、説得力、表現力に脱帽。"当事者研究は一般の研究が目指す「誰にとっても共通して有効な原理」にこだわらずに「私に何が起きているのか」という個別性を重視します"いろんな細かいことをよく知っている賢いといわれる人たち。だけど「私に何が起きているのか」をよく知らないまま日々が過ぎていくんじゃないだろうか。別に病気じゃなくても、こういった場がもっと増えてほしい。2019/01/31
Shun
5
当事者性に主観をおいて各事案を分析するのはまだ脚光を浴び始めたばかりなので、こういう視点もあるんだと言うことはもっと知られて欲しい。 仮にこの社会の人口の99.5%が車椅子利用者であれば、あらゆるものは車椅子前提に作られる。移動速度の遅い歩行者が居たとしたらその人が移動の流れを乱す。高さが飛び抜けて目立ち、障害者たり得る。障害者とは、社会的少数派を指すのだということ、どれだけの人が考えたことがあるのだろうか気になるところ。2019/12/21
Koji Takahashi
5
【心地よいデタラメ】 「安心して絶望できる人生」 なんてデタラメな響きだろうか。 カーリング女子日本代表の吉田知那美選手の好きな言葉として有名になった言葉である。 吉田選手が試合中、自身の良いプレー後に見せる「ドヤ顔」が好きでした。ただの笑顔でなく、乗り越えてきたものがあり、今を生きている気持ちが現れていたからなんだなと思っていました。 その乗り越えてきたものが「安心して絶望できる人生」だったのでしょうか? 2018/09/22
Koji Takahashi
4
【居場所】 精神的な弱さを抱えた人達が 仲間と繋がることで豊かに暮らすことができる街、それが浦河町です。 仲間に受け容れてもらい、仲間を受け容れることで『絆』に溢れる街。 沢山の苦労を抱えた人達がたどり着く『居場所』 常識を手放すことで、幸せを手に入れることができる街。 人の幸せとか人間らしさって、財産や権力じゃない、 『絆』と『居場所』なんだなって教えられます。 傷ついた人を癒すのは『人薬』 人を傷つける強欲な人間よりも『人薬』であり続けよう。2018/10/26