内容説明
大人が、遠い記憶と向き合うための25篇。
目次
博多って、おっきいなー
清潔であること
思い出のアドレス帳
長崎うまかもん
惜しい…。
静かに近づき、静かに去ってゆく
お盆・花火・長崎
ペルヘンティアン島の奴ら
台湾でのサイン会
フリーハグしてみた〔ほか〕
著者等紹介
吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞。2007年『悪人』で毎日出版文化賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
188
吉田修一は、新作中心に読んでいる作家です。小説は結構読んでいますが、エッセイは初読です。飛行機は原則JAL派のため、ANAの機内誌『翼の王国』は、ほとんど読んだことがありません。機内誌連載のエッセイだけあって旅情をそそる爽やかなエッセイです。続いて今回同時刊行の『最後に手にしたいもの』に進みます!2017/10/30
yoshida
179
吉田修一さんのエッセイ集。ANAの機内誌で連載されていたエッセイを纏めた作品。以前、ANAを利用した時に読んで以来の纏め読み。様々な旅の記憶や日常の出来事が書かれていて、とても読みやすい。吉田修一さんの文章は暖かく、少し儚さがあり個人的に好き。長崎のお盆と花火の様子を興味深く読む。花火が夜空を照らし、精霊流しが行われる。列をなし下りていく精霊船。精霊船を流し終えた担ぎ手達が宴会に向かう道の中での高揚感と虚脱感の混じった空気と、流した人々を想う気持ちが実に良い。おわら風の盆もいつか見てみたい。良い作品です。2017/12/10
けんとまん1007
75
軽いこころで読めるエッセイ集。こんな風に文章を綴ることができたらいいなあ~。読み友さんも書かれているとおり、無音の世界がいい。雪が降ったり、早朝の無音の世界を知っているので、こころに沁み込んでくる。2021/08/10
Satomi
71
ANAの機内誌「翼の王国」連載のエッセイを纏めた贅沢な一冊。吉田修一様♡大ファン♡胸を抉るような残酷な物語も、何気ない日常の中にあるふととした物語も大好きだが、小説とは異なる吉田修一そのものを堪能できるエッセイも面白い。少しずつ大事に読むつもりが一気読み。同時発売の「最後に手にしたいもの」も続けて読んじゃう♡2017/11/01
ぶんこ
66
旅大好きだったはずが、色々と調べるのが面倒になってきたこの頃。年末の家事の合間に読んでいると、フツフツと旅心が再燃。サハラ砂漠での満天の星空を天井にして寝るひととき、モロッコの大草原での無音の心地良さ、グランドキャニオンでのピンク色の朝焼け。大げさではない淡々とした表現なのに、無性にその場に立ってみたくなりました。癖のない文章が心地よいエッセイでした。2017/12/30