内容説明
『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』の著者が科学の言葉で解き明かす、芸術深読み論。
目次
1 マンハッタンヘンジ
2 親魏倭王の金印
3 聖女プラクセデス
4 右手と左手
5 バベルの塔
6 ヴィレンドルフのヴィーナス
7 パワーズ・オブ・テン
8 ミミクリーズ
9 カバのウィリアム
10 メランコリア1
著者等紹介
福岡伸一[フクオカシンイチ]
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒、米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。サントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
75
生物学の専門家による美術案内。DNAの二重らせんの発見者の1人の「だって自然界において、大切なものはすべて対になっているじゃないか」という通り、古くはギリシャ神話の神ヘルメスの杖(カドケウス)との酷似に言及したり、フランク・ロイド・ライトのグッデンハイム美術館の渦巻きスロープの美しさやアイルランドのダロウの書の連続する渦が生命を感じるなど視点が面白い。2016/02/20
どんぐり
62
芸術と科学の世界に共通するのは繊細さとその均衡のうつくしさを説く、福岡先生の洞察力と教養があふれでる文章で綴られたエッセイ。フェルメールの「地理学者」をはじめ、ダ・ビンチの鏡文字、F・クリックのDNA構造スケッチ、ブリューゲルの「バベルの塔」、伊藤若冲や葛飾北斎、杉本博司に宮本愛子、池田学等々の作品と共に紹介されている。2018/04/23
けんとまん1007
52
以前から、芸術(美術)と科学(自然)は表裏一体のものではと思っていたので、それが福岡先生の文章で裏付けられたように思う。人の営みも、自然の一部であるし、それを観察し考察することは整合性から美へとつながると思う。一人の人の中には、両方の要素があるし、だからこそ人間なのではないだろうか。2020/04/14
紫羊
33
写真が添えられた短いエッセイは、ひとつの外れもなく面白く読めました。フェルメールをはじめとした芸術作品への造詣の深さに、生物学者ならではの視点も加わり、大いに好奇心を刺激されました。ただ、あまりにも文章が巧み過ぎて、その大仰さが少しばかり気になりました。2017/01/09
Tadashi_N
32
数学的に美しい生物、螺旋構造、フェルメール。2017/09/29