内容説明
「社会が変わるとき、自分たちはどこに居たいだろうか」僕たちが選んだ場所は、ニューヨークでも、東京でもなく、島根県の離島、隠岐諸島にある海士町だった。そして僕たちはその島で「学校」をつくるべく、起業した―。離島で起業した著者による、島と地域と未来の入門書。
目次
第1章 僕たちが島民になった日
第2章 島で自分たちの仕事をつくる
第3章 土地の流儀との出会い
第4章 ふるさとは、ひとつじゃない
第5章 島とともにある会社へ
第6章 僕たちがつくる、島の学校
第7章 海士から見えた、僕たちの未来
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
@nk
39
都会での暮らし、ひいては資本主義社会への問題意識を胸に、若者たちが海士町で起業した[巡の環]の軌跡が綴られていた。彼らが2007年に島暮らしを開始して対峙することの多くが、昨年私も種子島で同じくであり、答え合わせのようでもあった。真っすぐで情熱あふれる彼らの思いが強烈に展開されるなか、寄稿風に挟まれる「海士の人インタビュー」が何とも素敵。そんな寄稿者の1人が、かの岩本悠氏なのだけれど、役場の課長さん、漁協組合の人、陶芸家、京都の料理人など、[巡の環]とのあたたかい繋がりを感じさせる人ばかり。本書発行の後⇒2023/11/17
壱萬参仟縁
27
自然に負荷のかからないライフスタイル(26頁)。小笠原の島の暮らし方から学んだ阿部氏。信岡氏曰く、「雇用が生まれるためには魅力的な事業が必要」(36頁)。田舎のハロワほどつまらない業態、仕事しかないところはない。住民になっていってみればわかることだ。産業や仕事が少なすぎるのである。人口2300人の島民が70名以上イベントに集まる盛況ぶり(65頁)。巡の環(めぐりのわ)の島の学校。アイガモ米、ふくぎ茶、海産物が島の地域資源(74頁)。 2014/07/01
多聞
15
地方在住者の一人として、海士町の存在は決して他人事ではなく、手に取らないわけにはいかなかった。課題が山積する中、攻めの姿勢を一貫し続け、夢を持った若者たちが集い、島全体で地域から社会を変えていこうとする海士町の動きに今後も注目していきたいと思う。2013/03/21
田中寛一
11
安定した仕事を捨て、生きがいを求めた青年たちが隠岐の海士町で「巡の輪」を起業する。海士町長山内道雄をはじめとする地元の人の素晴らしさを阿部や信岡の2人はしっかりと受け止め、持続可能な社会づくりを目指して歩んでいる。多くの人との繋がりを大切にしながら、海士だけにとどまらず日本各地の人と繋がり歩む姿がすごい。五感塾のプログラムも受け入れながら企業などの研修にも積極的に関わっている。50年先の日本を歩んでいる海士から、人との繋がりや持続可能な社会づくり巡の輪がもっと広めらることを願う。2013/09/14
ふぇるけん
7
島全体で町おこしをしている島根県海士町で地域密着のベンチャー活動をしている株式会社 巡の環の軌跡。もちろん海士町の懐の深さもあっただろうが、単に都会暮らしに疲れたからとかでなく、地域でビジネスを起こすという気概を持って移住したからこそ小さいながらもビジネスを維持していけるのだと思う。海士町には15年近く前にダイビングで一度訪れたが、そのときはこういうイメージではなかったなぁ~。また行ってみたくなりました。2017/08/24
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