内容説明
日宇皇国は空中空母“八洲”を唯一の領土とする国家。かつて外敵の侵攻を受けて本土領土を失陥し、空中に逃れた“大空の皇国”である。焔宮絢子は、地上に領土を持たない日宇皇国の第三皇女。年若く美しい皇女は、権謀術数渦巻く国際政治の舞台に乗り出し、諸国を巻き込んで仇敵ウルティア連邦との大陸間戦争に臨む。唯一の「私物」たるパイロット・飛来越天を駆る焔宮は、日宇皇国本土を奪還し、その再興を成し遂げることができるのか―!?仮借なき大陸間戦争に身を投じ、祖国の奪還と再興を図る美しき皇女と戦乙女たち!
著者等紹介
地雷魚[ジライギョ]
1973年生まれ。パソコン雑誌『ログイン』、広告PR誌編集などを経て、フリーライターとして、ゲーム・三国志・歴史を中心として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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disktnk
4
大陸を賭けた大戦争というより、終始、越天と焰宮の戦争だった。戦争が生んだ才器、ということなのだろう。上巻の不安定な越天はどこへやら、だからかキャラが薄く感じた。 基本的には、何かイベントがあってから、あれこれと後付けで説明する構成なので、良くも悪くも、小説というより戦争史を読んでいる感覚。2014/09/26
一会
4
読み終わると「越天の空」というタイトルがとても納得。戦記物であり政治陰謀作品でもあり、恋愛小説でもある作品の本質を完璧に表現している。 裏を裏をかき完全な勝利を収めても、それが敗北に繋がってしまう政治の世界。越天を初めとするパイロットの超人的技量や新技術による迫力の空中戦、戦争のありかたを変える新戦術の威力、そして壮絶な愛の形。様々な要素が結びついて一つになっていて、実に面白かった。2014/09/15
にのまえとか辺見とか
3
情念戦争。少女たちと老人のそれぞれの愛の形が世界を壊す恐ろしい話でありました。2014/09/22
yucca
3
上巻以上に世界観の広がりと深みを見せてくれた。戦争や権謀術数渦巻く政治の話かと思いきや、狂気にも似た激しい「愛」の物語でもあった。2014/09/15
半木 糺
2
空中空母も戦闘機も政治も国家も、全ては一人の少女の初恋と一人の男の妄執を描くための舞台設定に過ぎなかった。たとえ困難な道であったとしても、がんじがらめに絡め取られる世界と決別し、前に進んでいく二人の少女。そして彼女たちは「少女」という殻を捨て去り、空へと羽ばたいていった。本作は正当な意味でのジュブナイルそのものである。2015/08/03
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