内容説明
博物館やコレクターが所蔵する数々の美しい図版とともに、天文学上の発見や世界各地の神話、忘れ去られた天空にまつわるエピソードなどを縦横無尽に語る。さながら宇宙の地図、物語、絵画、工芸品のコレクションでもある。星や惑星だけでなく、神々、悪魔、魔術師、空飛ぶ船乗り、中国やインドの占星術、神話上の動物、暴れ回る幽霊など、これまでに見たことのないような空の世界も語られる。
目次
古代の空(先史時代の天文学;古代バビロニア ほか)
中世の空(イスラム天文学の台頭;アストロラーベの発明 ほか)
科学の空(コペルニクスが起こした革命;ティコ・ブラーエ ほか)
近代の空(ウィリアム・ハーシェルとカロリン・ハーシェル;小惑星の名付け親 ほか)
著者等紹介
ブルック=ヒッチング,エドワード[ブルックヒッチング,エドワード] [Brooke‐Hitching,Edward]
英国王立地理学協会フェロー、地図偏愛家。BBCの人気クイズ番組「QI」にも携わる。古書店の息子として生まれ、現在もロンドンで暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベル@bell-zou
26
3週間で55/256ページまでしか進めなくて、んー、きっと今じゃないんだなぁ…ということで図書館へ一旦返却。長い休みのときに改めてまたゆっくり(。・・。)2021/02/27
鯖
16
紀元前ドイツの暦に使われためっちゃ長い金ぴかの帽子やちうごくの甲骨文字で描かれた月蝕の記録。天球図や星図が曼荼羅のような描かれ方をしてるものが多くて、やっぱり考えることは一緒なんだなあって。ハッブル望遠鏡がとらえた星が生まれるところを写した「創造の柱」はやっぱりすごい。写真多めで、どれを見ても夢いっぱいで楽しかった。2022/12/04
にく18
9
図書館本。古代から現代までの天文学を解説。オールカラーで美しい絵や図や写真でため息が出ちゃう。欧州だけじゃなく、中東やインドや中国の天体図なども載っていてそこがいい。古代の人々が考えた星々の世界も、現代に判明した宇宙の果ても、共通しているのは人間の可能性。想像力には限界がないんだね。元素のいくつかが天体観測で発見されたとは。ヘリウムガスを集めて圧縮していったらミニ太陽が出来るのかしら。夢を見たっていいじゃない。2020/11/21
Fumitaka
6
最初は古代の天球図などから始まり、やがて加速度的に宇宙の解像度が上がる現代まで、人間の宇宙イメージがいかに変遷してきたかを扱う。想像力が天文学者の最終目標にとって「一番大切な道具」だった(p. 14)というのは一定程度事実でしょう。そして天文学を陰で支えて来た女性の存在にも言及される。こういった存在が「陰」に置かれてきたこともそれはそれで人類史における事実である。あと中世の大学では「自由学科」に文法、修辞、論理のほかに幾何、算術、音楽、そして天文学が含まれた(p. 88)というのは活字で初めて見た。2024/06/02
氷菓子
6
古代や中世の天文学は、観測される事が合理的に説明できてかつ、その地で信仰される宗教と矛盾しないものでなければならなかった。ガリレオなどの苦悩を思うと宗教による天文学の遅れは悪でしかないと思っていたけれど、本書に乗せられた数々の美しい絵図や、アストロラーべと呼ばれるイスラム教の礼拝の時間やメッカの方角を知る円盤状の芸術的なまでの計算機など、宗教が存在したからこそ発展したものもある。現在は科学者と芸術家は全く異なる分野だけど、昔は両者の境界はなかったのではないかという気がした。2021/02/28