内容説明
人類は頭上の世界をどう描いてきたのか。神のすまう世界から、無人探査機がデータ収集する惑星まで、手の届かない世界を想像し、見つめ、描き出してきた物語。神秘と数式が織りなす天の像を、美麗な絵画・画像200枚で読む。
目次
Introduction 何もない場所へ
1 世界の中心―プトレマイオスからコペルニクスへ
2 月の地図―地球唯一の自然衛星
3 星から惑星へ―天空の裏庭
4 太陽系の主―最も身近な恒星
5 明滅する星々―小さな点から遠い太陽へ
6 無限の彼方へ―宇宙の果てを目指して
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
85
古代の人々は日の出、日の入りや月の動きや星空をどう見ていたのだろう。きっと山の向こうまで行ったり海の向こうに思いをはせていたのだろう。そんな先人たちが描いた天空の地図が絵や写真で紹介されている。近いところでは探査機による木製や土星の写真。宇宙のことはずいぶん判ってきたというけれど実は地球にある一片の石の欠片ほども判っていないのだと思う。これから何万、何十万年もっと後人類がいたとしたら今の宇宙観を笑っているのだろうか。図書館本2018/12/30
em
21
神々のすまう神話的空間としての天空から、最新の観測にもとづいた宇宙像まで、古今東西の図像。宇宙の本は数あれど、図版で構成されているのは珍しい。天球を支えるアトラスやメソポタミアを起源とする星座の図はおなじみ。古代バビロニア、トルコといった見慣れない地域のものも。ルイ十四世のために作られた天球儀(直径四メートル)は見てみたい。このナショナルジオグラフィックの地図シリーズはよくまとめてあって美しく、とにかく目が楽しいです。2018/10/19
kei-zu
11
小学生の頃、木星や土星に近づいたヴォイジャーから続々と送られてくる写真に胸をときめかした。遥かな天空の景色が目の前で開かれる思いがした。 本書は、古来から人が描いた天空の姿から最新の宇宙の観測状況まで豊富な写真で解説する。 中世のキリストの磔刑図で初めて後に海と呼ばれる地面の様子が描かれたなど、観測の進歩に伴う文化的な変遷も興味深い。 ただ、本書で最新とされる「天空の地図」も終着点ではないはず。私たちは、探検の途中にあるのだ。2021/02/07
スターライト
10
夜空に見える星々の世界とは、どんなところなのか。人々の想像が生んだ「天空の地図」を集大成した本書には、古代から中世に描かれた絵、彫刻などと現代の望遠鏡が撮影した写真が紹介されている。聖書やキリスト教の世界観を反映したものや、自分の目に映りそれを忠実に再現したものなど、地図を見るだけでもその時代の生活まで覗き見れるようだ。外国の著書の翻訳なので仕方ないが、ヨーロッパ以外の地図についてはマヤ人などを除いてはほとんどないのが残念。中国や日本にも興味深い地図がありそうな気がするが。2018/11/27
たらちゃん
10
わからないからロマンが生まれる、知りたいと思う。2018/04/15