内容説明
人類の歴史は「失敗の歴史」ともいえる。しかもその失敗の多くは、優秀で善意に満ちた人々が、肝心なときに大事な判断を誤ったために引き起こされている。本書には、人類が犯した愚の骨頂とも言うべき失敗の数々が取り上げられている。それらは罪のないうっかりミスなどではすまされない。たくさんの人命や人々の暮らしを損なったり、国や王朝を滅ぼすような高い代償を払う結果をもたらした、実に愚かなヘマである。
目次
アダムとイブ、禁断の木の実を口にする
パリスがメネラオスの美人妻をさらう
ハンニバル、軍勢を率いてアルプスを越える
クレオパトラ、アントニウスと手を結ぶ
皇帝ネロとローマの大火
バイキングの探検家、グリーンランドに入植
教皇シルウェステル2世と世界の終わり
アレクサンデル3世とプレスター・ジョンの探索
ポジェブラト、欧州統合のアイデアを各国に売り込む
モンテスマ2世、スペイン人侵略者を歓迎する〔ほか〕
著者等紹介
ウェイア,ステファン[ウェイア,ステファン] [Weir,Stephen]
米国ニューヨーク在住のノンフィクション作家。出版人としての経歴が豊かで、オーストラリアのノーベル文学賞受賞者パトリック・ホワイトや、英国の軍事歴史家ジョン・キーガンらの出版をサポートしている。富豪のジョージ・ソロスとも親交がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
59
図書館本。アダムとイブの禁断の木の実からはじまる、さんざんな結果に終わった「残念な決断」を載せた本です。当時の視点では良い決断だと思われた事でも、現在では愚行にしか見えないもの。当時から既に愚行と思われていたもの。しかし、評価ってのは時の洗礼を浴びないとだからなー…2018/03/26
キムチ
42
歴史好きと思っていた私でも読むにつれ、知らないことばかりではぁ・・終いには一日数ページとノルマ的にこなした。「歴史を学ばないものは必ずや同じ過ちを繰り返す」とはよくいうものの、権勢を握り占めると厚顔無知、厚かましく何度でも愚挙を繰り返していくのは周知の事。地球の人口が大爆発と言いつつも地球規模で何度も起こってきたパンデミックや大量殺戮。動物から見ると人間はこうやって死への行進を幾度も繰り返す愚かなものよ・・と言えるのかも。2018/06/24
oldman獺祭魚翁
42
図書館の新刊棚で見つけた本。人類の「失敗」の歴史を綴った大人の絵本(ビジュアル本)。アダムとイヴから始まって2004年のインドネシア大津波で終わる。西欧史が中心なのでアジア圏はほとんど出てこないのが欠点。なぜかイギリスがおきに召さないようで、かなりのエピソードを占めている。特にチャーチルなんかは二度も登場するという栄誉?に浴している。今まで知らなかった歴史のニッチな部分が解る本です。2018/03/05
ジュール リブレ
34
人類初の夫婦、アダムとイブの失敗から始まり、幾多の失敗と、背景、原因をまとめた一冊。ナショナル・ジオグラフィック発行ということで、至極、まじめに書かれてます。判断ミスや、欲張りすぎ、知識の無さや軽率さいろんな要因があるけれど、招いた結果は確かに大きい。この一つずつの結果が、逆に行っていたら、今の世界とは違った世界があるのかもしれない。2018/03/01
たまきら
29
神話から現実まで、主に西洋における人類の大きな失敗を見て笑ったり呆れたりできる本です。基本的な失敗のパターンが読み取れるところも面白いのですが、プログラムミスといったほんの些細な見落としが起こした事故には胸が痛みました。でも間違えるのだ、と理解するのは大切だと思います。必ず勝つとか絶対事故がないなんて言葉で粉飾するよりもずっと。2020/08/17