内容説明
本書で紹介する国、島、都市、山脈、川、大陸、種族などは、どれもまったくの絵空事だ。しかし、かつては実在すると信じられていたものである。なぜだろう?それらが地図に描かれていたからだ。神話や伝承として語り継がれていたものもあれば、探検家の間違いや誤解から生まれたものもある。なかには、名誉のため、あるいは金銭を集めるための完全な“でっち上げ”すらある。そのような幻の土地や国、島々は、20世紀の地図にもたびたび登場し、現代のグーグルマップにまで姿を現した。130点を超える美しい古地図と貴重な図版・写真とともに、人々を翻弄した幻の世界を読み解いていこう。
目次
アニアン海峡
アンティリア
アトランティス
オーロラ諸島
オーストラリアの内陸海
ベルメハ
ブラッドリー島
バス島
セサルの都市
カルタ・マリナの海の怪物たち〔ほか〕
著者等紹介
ブルック=ヒッチング,エドワード[ブルックヒッチング,エドワード] [Brooke‐Hitching,Edward]
古書店の息子として生まれた古地図の愛好家。現在もロンドンでアンティーク地図と古本の山に囲まれて暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
106
アンティークな古地図は、不正確だったり、想像上の島や地形までが書かれている。その経緯や後始末を個別にまとめていて、興味津々に読み進んだ。カラー図版がいっぱいの、ヴィジュアル的にも楽しい本。年月や大金を費やし、命がけで実際に行くしかなかった時代、測定技術が不完全でも、昔の探検家は少しでも正しい情報を地図に反映させる努力をしていた。古地図は当時の最新情報だったのだ。驚いたことに、21世紀の地図やグーグルマップにさえ載っていた例が! 日本語版読者としては、この本にも幻の「中ノ鳥島」の項目を入れたいところです。2020/06/08
ちーちゃん
101
かつて存在したと噂された幻の島等について取り上げた図鑑です。どれも後年になってから実在しないと結論付けられていますが、実在しないと判明するまでの経緯が解説してあり興味深かったです。幻の島等が描かれた地図が掲載されているだけでなく、その島等に関わった当時の船乗りや探検家達の航海の様子も掻い摘んで説明してあったのが良かったです。事実に即さない地図や海図を頼りに航海をした当時の船乗りや探検家達が、如何に命を賭けていたのかに気付かされました。前途多難で波乱万丈な航海の様子にワクワクするような想いで読み進めました。2023/05/05
コットン
90
かつては実在したと信じられていた架空の場所50程度についての世界地図を図で掲載し解説した本。荒唐無稽なものから社会的駆け引きによりでっち上げた顛末が語られたものまで色々だが、笑えるのは海の怪物を描いた地図『カルタ・マリナ』で木になった実からかえるアヒルがあった。2022/10/03
かりさ
79
存在を信じられながら実在しない幻の地図たちを美しい図版と読み応えある文章で紹介する地図の本。地図は存在するのに実在しないまさに冒険家たちを翻弄し惑わせた古地図の数々。それは空想や妄想の旅への入口。ここから幻想物語がいくつも生まれそうなわくわく感が高まります。まさにファンタジーや幻想の世界がここに広がり、空想好きを大いに刺激してくれます。素敵すぎる。2018/11/17
Panzer Leader
68
科学・航海技術の発達していなかった時代とはいえ、よくもここまでありもしない架空の地図を作成していったものだ。おまけにそれを片手にその地点を発見するため大海原・探検行に乗り出していった人々の原動力とは何だったんだろうか。スケールは小さいけど昔地図に載っていない道を探して目的地に行くのが好きだった自分を思い出す。眺めているだけで地図の幻を追う冒険の旅のロマンを満喫できる。2019/04/28
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