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脱線特急―最悪の乗り物で行く、159日間世界一周

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863131101
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0026

内容説明

ある年の3月、トラベルライターのカールは、妻と3人の子どもたちを置いて、ワシントンDCのチャイナタウンから長距離バスに飛び乗った。20年間、良き夫であり良き父親だったが、とつぜん糸がプツンと切れた―。「中年の危機」に直面した40男は、休暇で行く優雅な旅ではなく、地元の人が職や生活を求めてふだんやるように、とにかくいちばん危険で、混雑していて、遅くて、安あがりな手段だけを使って、命がけで移動する旅を選択した。地元の人びととすし詰めになり、板の間で重なりあうようにして眠る旅が、彼にもたらしたものとは。

目次

プロローグ 祈りのとき
第1部 南北アメリカ(行っちまえ!;ブエナ・スエルテの希望 ほか)
第2部 アフリカ(死と破壊の根源;その列車はとても良くない)
第3部 アジア(ほら行った行った!;二九〇番目の犠牲者 ほか)

著者等紹介

ホフマン,カール[ホフマン,カール][Hoffman,Carl]
旅行、冒険、テクノロジーのジャンルを専門とするライター、ジャーナリスト。「ナショナルジオグラフィックトラベラー」「ワイヤード」「スミソニアン」など多数の雑誌に寄稿

藤井留美[フジイルミ]
翻訳家。上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tui

18
危険や死と隣り合わせの刺激を求め、あえて事故率の高い乗り物を選んで世界一周するという本。こんなクレイジーな乗り物ないぜヒャッハー!なノリでは、ないです。根は生真面目であろう著者は、内面への冷静な探索もおこたらない。それもまた旅の(そして紀行文の)大事な要素だしね。でもさ、危険が日常である人々に囲まれながら、生き延び通り過ぎる立場にすぎない我が身を思うってのは、無邪気過ぎないかい?幾多の過酷な乗り継ぎを経て無事アメリカに降り立った彼だが、大陸横断グレイハウンドにこの旅最悪の居心地悪さを覚えるってのもなあ…。2017/05/30

ぽち

12
トラベル/アドベンチャーライターである著者が「いちばん危険で、いちばん混雑していて、いちばん遅い手段だけを使って世界一周」することを目的とした旅を綴るノンフィクション。――外国や異文化に惹かれるのは、逃避願望だけでなく、変質、あがない、発見への期待もあるからだろう――と著者は言うのだけど、この旅行記においては逃避と自殺行為がほぼほぼ同義のようでもあって、自分も共感するところは多々ある、そういう境遇にいることもなにか貴重なことであるような気もするけど、気の迷いかもしれない。2017/09/29

RYOyan

11
いくらグローバルスタンダードを掲げていても、大部分は先進国の価値観が通用しない暮らしを送っている現実。最近、帰ってきたオザケンが言ってたような話に通じる気がする。ただ、どっちが正しいとか幸福とかいう話ではなくて、立ち位置が変われば求めるものも変わってくるということだと思う。2017/03/13

kemta

2
過去5年で2万人以上が死んだムンバイの列車、沈没率世界一のバングラデシュのフェリー、戦火のアフガンを飛ぶアリアナ航空など、庶民の足として使われている交通機関の中でもさらに最悪のものだけによる世界一周紀行。写真は一枚もないけれど、定員の2倍3倍が平気で乗り足下にゴミがちらばりゴキブリが落ちてくるような車両や船の情景についてのリアリティがすごい。もはや世界に辺境はない、というけども人のいるところに辺境は生まれるのだなあ。ここまで行きたくならない旅行記は珍しい。2011/10/22

朔麻

1
「中年の危機をこじらせた男のヤケクソ一人旅」 よくこんな旅を思い浮かぶものだ。 海外に行くなら安全な方がいい。死ぬときは自分の良く知ったところがいい。2012/06/22

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