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内容説明
子どものころからあこがれていた「ロビンソン・クルーソー漂流記」。なんとロビンソン・クルーソーのモデルとなった、無人島で生き延びた人物が実在したという。その足跡を追いかけることに熱中するあまり、ついには会社を辞め、単身チリ沖の孤島へと乗り込む。言葉の壁、習慣の違い、資金難、協力者集め、衝突、管轄当局の壁と、なかなか調査ははかどらない。次から次へと降ってくる難題を解決し、協力者を集め、援助を取りつける。いよいよ多国籍チームを率いて現場に踏み込むと、そこにはすでに荒らされた形跡が―。10年にわたって粘り強く謎に挑みつづけ、ついにたどりついた奇跡の発見。世界で紹介された日本人青年の奮闘の記録。
目次
第1章 ニューヨークで夢を
第2章 探検のスタートライン
第3章 サンチャゴの夏
第4章 ロビンソンの島へ
第5章 発掘
第6章 失われた古道
第7章 一六ミリの発見
第8章 検証
第9章 希望の家
著者等紹介
高橋大輔[タカハシダイスケ]
1966年秋田市生まれ。探検家、作家。「物語を旅する」をテーマに世界各地、日本全国に伝わる神話、伝説、昔話などの伝承地を訪ね、フィクションとノンフィクションの接点を探る。米国の探検家クラブ(ニューヨーク)と英国の王立地理学協会(ロンドン)のフェロー会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
31
「ロビンソン・クルーソー」のモデルとなったアレクサンダー・セルカークが四年四か月を孤独に過ごした島にある古い遺跡。それはセルカークの小屋のあとではないかと考えるようになった著者が会社を辞め、ナショナル・ジオグラフィックを巻き込み、チリ政府に働きかけて遂に許可を得るまでの長い道のり、そしとクライマックスの発掘作業とその後の検証作業はどの段階もスリリングであっという間に読了。銃の弾薬が底をつくと、自分の足でヤギを追って捕まえるようになったセルカークの逞しさも印象的。「ロビンソン~」をもう一度読みたくなります。2020/06/27
りんりん
9
ロビンソン・クルーソーのモデルとなったアレクサンダー・セルカークが4年間暮らした孤島の家を探す話。これよりも、前作が読みたい。どこかで再販してくれないかしら。2018/03/01
tom
6
ロビンソン漂流記のモデルのセルカークが流されたとされるチリの孤島に行き,住居跡を探して本当にモデルが実在したことを照明しようとした本。ナショナルジオグラフィックと交渉して,資金を出してもらい,チリ政府と交渉して,発掘許可を得る。こういうことを10年掛けて実現して,実際に発掘したという話。えらいなあと思う。こういうパッションを持つ人もいるのだ。2010/10/04
ぼっこれあんにゃ
4
◎ロビンソンクルーソーのモデルとされる実在の人物スコットランドの海賊アレキサンダー・セルカークの住居跡を考古学的調査により明らかにしていくというドキュメント。冒険譚というよりも、一つ一つの手続きをもくもくとこなしていった学術的な苦労話といった色合いが強い。会社をやめてまで、この発掘に向かっていった、著者の情熱に感動を覚える。2016/07/22
piccoro116
3
著者がどのように思い至り、どのようなアプローチで手がかりや資金を得て、実際どのような困難にあったのかしっかりと記録されており、現代の探検の教科書のようにも感じられます。 角幡唯介さんの空白の5マイルのようにそこまで大々的に売れていないのは、生命の危険などの冒険的な要素がなく、発掘などの探検的要素が強いからでしょうか。探検にはしっかりとした報告がつきもの。 この著書を読むとそれを痛感しますね。 2013/08/22