出版社内容情報
私は、恐ろしい悪魔を召び出してしまいました。
私は、己の愉悦の為に人を狂わせてしまいました。
大野木に取り憑く穢れた生き人形、生贄を求める蛇神、亡者が徘徊する木山邸跡地、鏡に映りこむ異形の家族…
隻腕の見鬼・千早とビビりの堅物公務員・大野木が怨嗟に塗れた怪異に相対するバディホラー第7弾!
装画:げみ
【目次】
序/侵蝕/縁起/不在/心躊/仮贄/過誤/閉環/憑纏/瞑躁
内容説明
隻腕の見鬼・千早と、ビビりの堅物県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人ではないモノどもが集う場所、決して遠くはない背中合わせの異界で、人の情念や想いが引き起こす数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。
著者等紹介
嗣人[ツグヒト]
熊本県荒尾市出身。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。2010年よりWeb上で夜行堂奇譚を執筆中。妻と娘2人と暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
113
シリーズ漆の一冊。安定の面白さ。しかも各話がめちゃくちゃ濃厚だった気がする。「序」から心ほわっとするスタート。深い山奥の広いお屋敷で流れていた美しい時間、お互いを想う優しさ、千早くんにはずっとこの思い出を大切にしてもらいたいな。相変わらずイケすかない木山が登場だけど帯刀との絡みは自然とニヤニヤしちゃった。大野木さんの仕事ぶりは今回も惚れ惚れ、千早くんとの協力、強力タッグはもっと惚れ惚れ。怖さの中にもほんのり漂うせつなさはもちろん、対岸に置かれた二人のお互いへの気遣い、信頼感はずっと浸っていたい癒され時間。2025/11/17
yukaring
63
「漆」は一話一話が少し長めで全体的に読み応えあり。いつもながらの大野木さんと千早君の活躍ぶりが楽しいが、今回はかなり手強い怪異が多く二人の悪戦苦闘にハラハラ。役所にやって来て大野木さんにある人形を託した男性。そしてその人形は大野木さんに取り憑いてしまい…『心躇』想いが残り破綻した空間に閉じ込められる恐怖…『不在』夜行堂主人の依頼である家を訪ねた2人。ループする惨劇にどう立ち向かうのか?『閉環』木山さんと千早君が相対するお話もあり謎多き物語のピースが少しずつ埋まってきている。続きも今から楽しみで仕方ない。2025/12/21
aki☆
58
シリーズ七作目。 どんどん描いてくれて、それでいて安定の面白さなんだから嬉しい限り♪ 入りは何気に新鮮な帯刀と千早のやり取り。温かい気持ちになったし、千早くんの右手が齎す運命を思い起されて悲しくもなった。今作はいつも以上に重厚な短編が多かったかな。怖さ増し増し。その分、千早くんと大野木さんの人を助けたいという気持ちと優しさが強く伝わってきてより楽しめた。スピンオフを読んだばかりなので帯刀と木山の話は感慨深い。木山は嫌いだけど、こちらの師弟関係もやっぱり気になる。2025/11/27
眠る山猫屋
55
矢継ぎ早の出版が嬉しくも心配な嗣人さん。外伝も出た木山氏の闇堕ちエピソードから始まる今巻。師匠の帯刀さんに反発しながらも、父性に揺れていた彼がとうとう一線を越える・・・。現代パートでは大野木さんが大変な目に遭いまくるが、彼の善良さが救いなんだよなぁ。千早くんは頼りになるけど、儚い未来しか見えない。割とあっさり目な結末の物語が多いけれど、事件の陰惨さはなかなか。暈した描写だから怖がりさんも大丈夫(なはず)。2025/10/24
がらくたどん
52
老いた帯刀、踏み越えてしまった木山、関わるしかない千早、闇に控える夜行堂・・。彼方の世界に身を置くオールスター揃い踏みで始まる第7巻はいつもより長めな印象の9編仕立て。千早君への友情と仕事への真直ぐさで怪異と向き合う公務員小野木さんがちゃんと怖がりちゃんと憤慨してくれるので、読者も土砂降りと暮明の異界を迷わず歩ける。現世に思いを残した亡者の慟哭が続くが、特に四話目の生き人形譚はただただ哀れであった。それにしても、スピンオフのリンゴ飴効果で木山っちがどれだけ悪辣にイキっていてもちょっとカワイイ。困るな~♪2025/12/26




