出版社内容情報
平沼 正樹[ヒラヌマ マサシゲ]
著・文・その他
内容説明
「週刊文倫」の新米記者・糸川瑠花(イルカ)は、敏腕ではあるが曲者の特派員記者・戌井のアシスタントとして、二ヶ月前に都内で起きた殺人事件を追っていた。何者かに女児が連れ去られ、遺体で発見されたという事件だった。「なぜ二ヶ月も前の事件を?」と訝しがるイルカだが、戌井はその理由を明らかにしない。―女児殺害事件から遡ること半年前、とある死刑囚の刑が執行された。するとそれが号砲であるかのように、各地で児童殺害事件が起き始めていたのだった。被害者遺族たちが口々に唱える「バチ」の意味とは…。
著者等紹介
平沼正樹[ヒラヌママサシゲ]
1974年生まれ。神奈川県小田原市出身。帝京大学文学部心理学科卒業後、アニメーション製作会社スタジオ4℃へ入社。2005年にウェルツアニメーションスタジオを設立し、日本初となる3Dアニメーション『アルトとふしぎな海の森』を監督。その後、オーディオドラマレーベルを発足し『キリノセカイ』(角川文庫より小説化)、『さくらノイズ』『盗聴探偵物語』『マネーロード』など数々の作品をプロデュース。2019年「しねるくすり」で第6回「暮らしの小説大賞」を受賞し、『しねるくすり』(産業編集センター/刊)として上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
37
曲者の特派員記者・戌井のアシスタントとして、二ヶ月前に都内で起きた女児殺害事件を追う週刊文倫の新米記者・糸川瑠花。新米記者と曲者特派員が凄惨な事件の真相を追う報道ミステリ。その半年前、とある死刑囚の刑が執行されたことをきっかけに各地で起き始める児童殺害事件。なぜ戌井は女児殺害事件を追っていたのか。瑠花が取材した貧困女子や児童虐待案件の意外な関連性、それが記者だった彼女の父も絡めた十年前の事件にも繋がってゆく展開で、業界の裏側も描きつつ、彼女自身も成長しながら辿り着いたその真実がなかなか印象的な物語でした。2022/10/05
TAKA0726
12
スクープ、他の報道機関を出しぬきニュースを報道。自分的には記者ってマイナスイメージが強く、誰かが調べなければ闇に葬られてしまう真実を記事にし世間の価値観も見直し社会を動かす、は自分に都合の良すぎる解釈では?結局逮捕されても事件は解決せず、事件や事故に巻き込まれ不運にも被害者遺族になるとそれは終わることのない苦しみの始まりでしかない。ある日突然止まった時間の中で時に囚われ逃げられずに生きていくことしか出来ないのに部数を伸ばすための阿漕な商売ではないだろうか?冤罪はフジTV月10ドラマエルピスに似てる? 2022/12/15
たくろー
4
週刊紙の新人女性記者と敏腕特派員記者が追うある殺人事件、から始まるエンタメミステリー長編。まあまあおもしろかった。2022/12/24
おしょも
3
初読みの作家さん。文体は読みやすい。ストーリーは、まぁ…という感じかな。再読はない。2022/12/01