内容説明
東京新宿。「島田法律事務所」に籍をおく弁護士・坂井尚也は、その裏に「幻影保険」請負人という顔を持つ。生前に積み立てた時間を死後に使う「幻影保険」を求めて、人々は彼のもとを訪れ、幻影の時間を生き、終えていくのだ。順調に見えた保険業だったが、坂井はある日突然、仕事を畳むと言い出す。廃業理由について彼は一切の説明を拒み、そして姿を消した。予想外の結末。真実はどこに。静かに心奪われる終末ファンタジー。
著者等紹介
小林栗奈[コバヤシクリナ]
1971年生まれ。中央大学文学部で図書館情報学を学ぶ。会社員。2015年、第25回「ゆきのまち幻想文学賞」長編賞受賞。2016年『利き蜜師』で第三回「暮らしの小説大賞」出版社特別賞を受賞し、『利き蜜師物語 銀蜂の目覚め』(産業編集センター)として刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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horihori【レビューがたまって追っつかない】
22
弁護士の坂井は、坂井家の力を以てなされる、生前に積み立てた時間を死後に使う「幻影保険」の請負人。保険業務に携わる元恋人の由紀乃と坂井が後見する姪美樹を伴い保険業は順調だったが、ある日、坂井は保険を廃業すると言い出す。坂井家一族の力。美樹の後見人としての坂井。保険の依頼人。坂井本人の秘密。なんだか、ネタがいっぱい過ぎて、どのネタも消化不良でオチが物足りない。だけど、意外に子どもにはウケていた。2020/09/09
パット長月
12
利き蜜師以来の著者、生前に積み立てた時間を死後に使う「幻影保険」という面白いツールを登場させた作品で、登場人物の設定など、もっともっと豊かな作品になるべき要素をいろいろと備えながら、十分な、というかほとんど展開されないまま駆け足で大団円を迎え、まるで利き蜜師のラストを想起させるような残念な、いや惜しい作品になってしまった。あと、タイトルもお粗末すぎる!もっと他になかったのだろうか?ただ本作により、今後の著者に注目していきたいと思ったことも確か。2020/04/19
MAMI.
6
★★★☆☆2020/06/19
ぬまっち
4
切ないお話でした。とても一冊では纏めきれない内容かな、と。一族の話とか、能力の話とか姉夫婦の話とか仕事の話とか。気になることが多いまま終わってしまった感があります。2021/01/24
読書小僧
4
うーん訳わからんかった。 アイデアはいいんだろうけどドラマの作り方が。 種明かししてからマジックを見せるって。。。 びっくりするぐらい作りが逆。 そしてふくらませるところが違う。 説明が多い割にはドラマがない。 全体に作りが乱暴すぎて本当に辛かった。 2020/04/21