出版社内容情報
台湾在住作家である片倉佳史氏が、台北市内に残る日本統治時代の建築物を20年ほどかけて取材・撮影してきた渾身作で、豊富なカラー写真と、歴史、文化、地理などの要素を盛り込んだ、詳細な紹介文が魅力です。
2019年発刊の初版では、台北を11のエリアにわけ、171件の歴史建築を紹介していますが、今回発刊する増補版では、約40件を新規追加。新規追加の建築はコロナ禍の間にリノベーションをし、レストランやカフェなど、実際に訪ねてみたくなるところを多く追加しました。
日本人と台湾人がともに暮らした半世紀を振り返ることができ、さらには、また台湾を旅したくなるような豊富な情報が詰まった一冊です。
内容説明
台北歴史建築ガイドの決定版!台北市内に残る日本統治時代の建築物200件あまりを、撮り下ろしの写真と無数の証言をもとにまとめあげた集大成。
目次
1 官庁建築が点在する行政エリア 總統府周辺
2 島都・台北市の中心街を歩く 國立臺灣博物館周辺
3 日本時代の繁華街と台北発祥の地 西門町・萬華周辺
4 知られざるもう1つの内地人街 旧台湾総督府専売局周辺
5 帝国大学とともに発展した文教エリア 國立臺灣大學(旧台北帝国大学)周辺
6 新興開発地に点在する歴史建築たち 台北市東部
7 「勅使街道」を中心に発展した市街地 台北市北部
8 台湾ならではの風情を残す家並み 迪化街・圓環周辺
9 台北郊外でも歴史建築散歩 圓山・士林・内湖
10 知られざる郊外の建築遺産 文山・松山・南港
11 温泉郷に残る日本統治時代の建築群 北投・陽明山
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
8
旅行前に。どちらかといえばモダニズムが優勢で、歴史主義がそれに次ぐ。近代日本の建築文化がそのまま投影されたような様式比率で、まさしく台日近代史が生んだ建築景観だろう。一方で日本式寺社が文化財として混じる点に旧植民地の特徴も感じることもできて、とりわけ神社建築には西洋的特徴が混淆したキッチュな造形が多く、本土の近代創建神社とはやや様相が異なる印象も。旅先での巡検が楽しみだ。2024/08/19
志村真幸
1
扱われているのは、旧台湾総督府、旧台湾軍司令部、旧台北ラジオ放送局、旧三井物産台北支店、旧西本願寺、旧石井稔亭、旧鈴木接骨院、旧台北帝国大学、旧台北第三中学校、旧料亭梅屋敷、旧台湾総督府鉄道部、旧佳山旅館などなど。 有名どころから、かなりマニアックなところまで。いまではなくなってしまった建物もいくつか。 軍関係など、ふつうは入れないようなところも取材しており、きわめて貴重な記録となっている。 巻末には、建築物の現在の名称・住所、竣工当時の名称・住所、竣工年月日、見学可能かなどの一覧、地図も。 2023/09/16
さりー
0
地図や詳しい地図が記されており、とても親切。 内容が多くて読むのに時間が掛かったが、台北旅行の新たな切り口として行ってみるのも良いかも。2025/03/14