内容説明
あなたの心にあかりを灯す、たからもののような奈良の物語。お寺や神社、仏像には、どんな夢や願いが託されたのか。知られざる歴史エピソード満載で奈良の魅力を語りかける。新聞連載から生まれた大人気エッセイ。待望の第2弾!
目次
大安寺の仏さま10月5日
語りだす奈良
春日シンポジウム
称徳天皇と西大寺
仏教東漸
小さな子どもたち
今昔越え
仏像の誕生
五劫思惟〔ほか〕
著者等紹介
西山厚[ニシヤマアツシ]
帝塚山大学客員教授、半蔵門ミュージアム館長、奈良国立博物館名誉館員。徳島県鳴門市生まれの伊勢育ち。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。奈良国立博物館で学芸部長として「女性と仏教」など数々の特別展を企画。奈良と仏教をメインテーマとして、人物に焦点をあてながら、さまざまなメディアで、生きた言葉で語り、書く活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
51
奈良ラブにあふれた一冊。ディープな奈良の歴史と、平成の奈良がクロスオーバーされています。奈良を優しく優しく語っています。例えば、大仏さん。聖武天皇の権利の象徴であったり、わが国が東アジア諸国より秀でている証しとして捉えるのではなく、あくまで奈良の大仏は庶民衆生の象徴として書かれています。奈良ラブな方にはたまらない一冊だと思います。2019/11/01
井月 奎(いづき けい)
43
歴史とは過去のことではありません。少なくとも私にはそうなのです。何かが起こり、それが人々に伝播して影響を与えて現在に通じてのち、未来へと続くのです。国の有史というのは文字がありき、でありましょう。それは中国、朝鮮から仏教や儒教と共にはいってきます。日本の言葉と中国の文字が重なりこんぐらがり書物などを編纂できるようになり記紀万葉が紡がれます。天下原の神々と釈迦、孔子がくんずほぐれつ混合して日本独特の仏教が生まれます。そこから千数百年のちの奈良を語っている本です。きっと奈良は未来へも作用するのです。2020/02/21
さばずし2487398
29
奈良国立博物館の学芸員として多くの企画に携わった著者の、新聞に掲載された奈良話エッセイをまとめた一冊。奈良というとどうしても国家としての教科書の中の歴史というイメージがあるかもしれないが、本書はその時代に息づく人物や、仏像などにかけるささやかな想いなどを著者の人生にも絡めて描かれており、『ほっこり』する温度で読みやすい。奈良好きで無くてもエッセイ好きにはぜひお勧めしたい、そして奈良に行かざるを得なくなるだろう(笑)朝の通勤の合間、本書を読む事でとても癒された。これは続編という事なので、前巻も読んでみよう。2023/07/31
らいしょらいしょ
4
奈良がとてもお好きな著者。いくつもの場所等をテーマに、易しい語り口で奈良愛を語る。よく知ってるところも、そんなのあったのかと思うような場所も。千年以上も前の都に思いをはせるのはロマンティックだろう。時代的にも、聖武天皇の頃、天武・持統天皇の頃の話が多いのは自然か。大和三山は確かに美しいが、三輪山のことはなかったかな。奈良は深堀りすると面白いところだと思う。また行きたくなる。2021/07/08
たも
4
新幹線ホームでたまたま手にとったのだがいい出会いだった。西山先生の奈良、聖武天皇&光明子、そして先生自身のお母さまへの想いに涙する。奈良のさらっと流れる風のような良エッセイ。2019/06/24